はじめまして。
- 2025/09/05 23:11:06
「はじめまして!申し遅れました。
私は天上界厚生福祉局「恋愛案内係」担当のQ-pidと申します。
かねてよりお伺いしておりましたご要望についての件でございますが‥えー‥、
ようやく、申請要件の了承を得られましたので、ご報告に上がった次第でございまして‥。
最終手続きののち、出来るだけすみやかにご案内できるかと思っております。
ま、こ、と、に、長らくお待たせ致しまして、申し訳ございません。
それにつきましてはです。上の者からですね?
そのう‥お言葉ではございますが、そちら様のご要望事項について
いささか、標準的中央値から乖離したものが数か所、いえ‥多数‥。
みうけられましたもので、各種項目について修正再申請していただければと
重ねて、お願いしてまいりました次第でございますが、まあ~そちら様の
ご意思がことのほか固く、なかなか応じていただけなかったことを鑑みましても、です。
や、は、り、私共の力及ばず、不徳の致すところであったと申し訳なく思っております次第でございます。
つきましては今回の申請案件の受理遅延におきましても、心よりお詫び
申し上げるとともに、上の者からも、くれぐれもよろしくお伝え願いたい、と
左様申しておる次第でございます故、どうか、ご理解のほどお願い申し上げましてですね。
出来るだけ早期に、いえ、近日中に良いご報告を差し上げられると思っております。
どうか今しばらくお待ちくださいませ。
それでは失礼いたします!」
そう言い終わると、Q-pidなる人物は扉を閉めて出て行った。
ロッキングチェアに腰かけた女性は、皺だらけの手でひざの猫をなでながら
窓の外の夕日が水平線の向こうにユックリ…沈みゆくのを眺め、、静かに溜息をついた。
「‥いまさら‥、ねえ‥。」
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