レオン・ウェルトに
- 2010/09/09 07:28:52
投稿者:p_prince
『星の王子さま』の献辞(けんじ)を書いてみます。内藤濯訳(岩波書店版)です。
レオン・ウェルトに
わたしは、この本を、あるおとなの人にささげたが、子どもたちには、すまないと思う。でも、それには、ちゃんとした言いわけがある。そのおとなの人は、わたしにとって第一の親友だからである。もう一つ、言いわけがある。そのおとなの人は、子どもの本でも、なんでも、わかる人だからである。いや、もう一つ言いわけがある。そのおとなの人は、いまフランスに住んでいて、ひもじい思いや、寒い思いをしている人だからである。どうしてもなぐさめなければならない人だからである。こんな言いわけをしても、まだ、たりないなら、そのおとなの人は、むかし、いちどは子どもだったのだから、私は、その子どもに、この本をささげたいと思う。おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)そこで、わたしは、わたしの献辞を、こう書きあらためる。
子どもだったころの
レオン・ウェルトに
http://www.tbs.co.jp/lepetitprince/tr00_14.html
王さま賞をもらいましたが、翻訳企画の応募は「まえがき」だけですwww
レオン・ウェルトへ
僕はこの本をある大人の人に捧げたが、子供たちにはすまないと思う。
でもそれには大事なわけがある…その大人の人は、世界の中で一番の親友だから。
もう一つのわけがある…その大人の人は、子供の本でも何でも分かる人だから。
そして三つめのわけは…その大人の人は、フランスでお腹をすかせて寒い思いをしているから。
どうしても慰めなくてはいけない人なのだから。それでも十分でないというなら、
かつて一度は子供だったその人に、この本を捧げようと思う。
大人はみんな、かつて一度は子供だった。(でもそのことを忘れずにいる大人は少ない)
そこで僕は献辞をこう書きあらためることにする…
子供だったころの レオン・ウェルトへ
漢字にはルビをふる(こどもたちにもよめるように)
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みんなで訳そう「インターネット版 新訳 星の王子さま」
http://www.tbs.co.jp/lepetitprince/
解説 ヒロピー教授こと、三野博司 氏 (↑同サイトより引用)
レオン・ウェルトは、サン=テグジュペリより22歳年長のユダヤ人の友人でした。当時フランスに残っていた彼は、身の危険を感じる状況にありました。サン=テグジュペリは『星の王子さま』をウェルトに献じたあと、さらに1943年6月、ウェルトのために『ある人質への手紙』を書いています。ここで言う「人質」とは、ナチス・ドイツの占領下にある祖国フランスの人々であり、それは「4千万人の人質」なのです。サン=テグジュペリは、彼のような海外にあるフランス人にとっては、祖国で苦しんでいる人々を救うことこそが義務であると考えていました。この祖国に対する責任を果たすこと、さらには祖国のために死ぬこと、それが『星の王子さま』の隠された主題でもあります。子ども向けのメルヘン調の物語の中に、じつは担うにはたいへん重い主題が秘められているのです。
あやまらなくても……
読んでみてね
すると、いろいろな比喩の意味が分かってくるんです。
もちろん、
童話だから、子供も読んでいいんだけど……もしかすると訳が分からない(意味がわからない)かもしれない……
挿絵を見るだけでもかわいいけどね! 挿絵はサンテグジュペリ(作家)の原画をもとにしています
星の王子さまの全カラー挿絵
http://www5e.biglobe.ne.jp/~p_prince/data/the_little_prince_6th.html
ユダヤ人の人達は迫害されてましたからねぇ~・・・。
それで献辞を贈ることは至難だったんじゃないかな?
この、献辞を見るだけで、すごい本だって思わせますよね……
ドイツ語版が発売されたとき、ハイッデッガー(ドイツの哲学者)の愛読書と、宣伝されました。
読んだことは無いのですが、
友達やTV(アニメ)などで聞きかじりしています。
あらためて今度買って読みたくなりました。