帰国の飛行機のなか、窓から地上を見下ろしてみると、
世界有数の山岳国家･タジキスタンの壮大なファン山脈が見えました。
雨も雲の少ないからか、細かいところまではっきり見ることができました。

あの素晴らしい絶景が心によみがえってきました。
私はこの広大すぎるファン山脈に足を踏み入れてきたのね。
それはほんの一部に過ぎないけれど。。
飛行機は、延々と続く岩山の上空をと飛び続けました。

私たちがサマルカンド･ツーリストセンターで申し込んだ
（タジキスタン・７つの湖 日帰りツアー）
7つの湖（Seven Lakes)は、ファン山脈（Fann Mountains) にあります。

申し込みは私たち夫婦だけでしたが、
１人の日本人女性が加わりたいということになり、
お互いに日程を調整し、３人で行くことになりました。
ツアー料金を３人で割ることになり、旅費の節約にもなりました。

彼女の名はルナちゃん♪　
一人旅に慣れているだけあって、行動力もあり、話題も豊富。
私たち夫婦にとって馴染み深い大学の卒業生ということで、
共通した話題も多く、明るく可愛らしい旅仲間ができました。

9月28日の早朝、日本語ガイド兼ドライバーのアミール君が
宿泊先に迎えに来てくれ、タジキスタンへの国境線に向かいます。

タジキスタン人のドライバーを紹介され、
ペンジケントというの街に向かい、
バザールやその近くのお店で昼食を買い込み、
７つの湖を目指します。

岩山が延々と続く壮大な絶景、車窓から垣間見える山岳民族の暮らし。。
舗装のしていないデコボコした崖に沿った細い山道を
古い４DWで強引な運転で走り抜けました。
車内では飛んだり跳ねたり、頭を打ったり。。

少し間違うと、この崖の下に車ごと落ちることになるのかな。。
助けは来ないだろうし、来ても助けようがないだろうな。。
でも。。。この絶景の中で命を終えるなら、本望かも。。

アミール君が説明してくれました。
「ここの男たちはロシアに出稼ぎに行き、女たちは家を守ります。」

ということは、タジキスタンの女性達は生まれ育った地域と結婚先から出る機会はないということですか？

「そういうことになります。女たちはここで一生暮らすことになります。」

思わず、ルナちゃんと目を見合わせました。

女性の活躍が強調されている私たちの社会では、可哀そうということになりそうね。。
でも。。この素晴らしい絶景しか知らない、ここで一生を終える。。。。
それはそれで素敵な人生だと思う。。

「ええ、私も同じことを思っていたんです」

窓を開けると砂埃。。。ここは中央アジア、シルクロード。。砂漠。。岩砂漠　
サマルカンドの街の街路樹も砂に塗れていた。。
日本では考えられないくらい雨の少ない地域だもんね。

信号待ちでは、村の子供達が競うように窓から手を入れてきて、
手作りらしきアクセサリーを売りこもうとしてきました。

経済格差、気候の違い、その地で生きる人たちの営み。。
そういうことも含めての旅だもんね。

エメラルドグリーン色の湖のほとりで、買ってきたランチをいただいていると
アミール君が湖で冷やしたスイカを切って持ってきてくれました。

緑の少ない岩山の7つの湖の色は、
それぞれ違い、それぞれの美しさがありました。
それも季節によって変わるそうです。

https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g2435005-d2422775-Reviews-Seven_Lakes-Marguzor_Sughd_Province.html