Nicotto Town



一人ぼっちになるために私たちはしゃべるのだ

タカコさん、しばらくぶりにお手紙します。
私は長いことひとりぼっちだったから、自分がひとりぼっちだなんて気づきませんでした。ずっとご飯は美味しかったし、見るもの全ては楽しかったし。人生にも満足していました。でもタカコさんがいろんなことを喋ったり、聞いたりするから、私は人生がわけがわからなくなってしま...


ないしょばなし

あのね、せんしゅう おとうさんが しんでしまったの。かなしくはないよ だっていしゃは 3年前から おとうさんがもたないって、いっていた。わたしはさいしょから かなしくなかった さいごまでおとうさんがいたくないなら こわくないなら しあわせなら じゅみょうがいっかげつでも さんねんでも 私はどちらでも...


隠れ家

もっと静かに息しなきゃ 見つかっちゃうよ、生きてることが、ばれちゃうよ
だからもっと 静かに足跡は残さないで 耳をふさいで 耳を澄まして
聞こえたら、刈り取りに来るよ感じたこと 楽しかったこと 考えたこと それらを罰しにくるよ
考えなかったこと 幸せじゃなかったこと 気づかなかったこと暴きに
だって...


知らないことのこと。

最近、もうすぐ死ぬことになっているAさんを見舞いに行っている。
Aさんは病名は伏すけどもうありていに言えば淵の病というやつで、医者の余命船側によればあと数か月ですともう1年以上前に言われていた。こういう余命の予告っていうのはあくまで中央値的な話らしくて、Aさんがこうして今生き延びているのも、ありうる...


いわゆる叶わない願い事は何か

時刻は22時。家の側の居酒屋で一人でビールを飲んでいたら隣のミドサー~アラフォーと思しき団体客が、いい感じに出来上がってくだをまき、人生とは何たるかの話をしていた。彼らはしきりに、自分の人生が半分すぎたけどこのままでいいのかという喧々諤々議論をしたり、かと思うと黄昏たり、飲み会の終盤にありがちな、変...





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