丸窓は汽笛を聞いた、ハンカチをつかんだ少女はじっとうつむいたままだった。あの人は来ない、丸窓は気の毒に思ったので知らないふりをした。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
丸窓は汽笛を聞いた、ハンカチをつかんだ少女はじっとうつむいたままだった。あの人は来ない、丸窓は気の毒に思ったので知らないふりをした。
限りなく広がる霧雨の星空、思いをはせながらあの人の心をアルファベットで探す。
霧雨の道のどこかで出会ってきた人々、忘れがたく胸あふれあふれては忘れていく。
人間はみんな心の奥底はとても弱くていい人だから、そんなに弱くていい人の心だけですべてのことに接すると、物事のすすみぐあいが悪いのでいじわるで怖い人のお面をつけてる。いじわるで怖い人のお面と、冷たくて自分勝手な人の服と、やきもちでわがままな人の靴と、気まぐれでけちんぼうな人の帽子と、うわさ好きで嘘つき...
天気が急に変わったので、窓を大きく開けた。風はまだ冷たいけど空は青い、いつの間にか灰色の雲は風に流された。思ったよりも風は強く、雲は見る見るうちに形を変えていく。その雲の動きを見ていたら、つぎに恋したら楽しい恋にしようと思った。今日はこの雲を見て、強い風にあたり、頭の中の空気を入れかえます。ビューー...
やさしい人でした。どう聞かれて、それしか答えられません。乱暴で、強情で、弱虫で、独りよがりだったけど。どうしてか思い出すのは、やさしいとこばかり。他の誰にもそんなところは見せなかったし、誰も信じてくれないでしょうが。私にだけは時々とても、悲しいくらいやさしかった。ひどいところも確かにたくさんあったけ...