Nicotto Town



交響曲第5番

祐作はコートを枕にすると、桜の木の下に寝転んだ。川べりは寒いと思ったが、風もなく、上着を脱ぎワイシャツ姿が丁度いいくらいの陽気だった。腕時計を見ると13時30分。花見が始まるまで、5時間近く時間をつぶさなければいけない。

川にしなだれかかる桜は満開で、多くの人が桜を見ながら歩いていた。川に沿った芝...

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人参しりしり

土曜日の午前中は、ゴミ出し、掃除、洗濯、ジョギングが日課だ。しかし、今日は、ずっと炬燵の中でゴロゴロしていた。昨日、麻雀が終わると終電近くになった。その後も、NHKガッテンの再放送が面白くて、深夜遅くまで見ていたのが悪かった。

ちなみにガッテンは、美味しいトンカツの揚げ方で、温度は180度が絶対で...

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炬燵

リンリーン。電話がなる。

「もし、もし、沖人です。」
「後輩のNです。最近、早起きですね。」

「12時前に寝るようになった。小学生以来な気がする。どうしたんだ。」
「仕事忙しすぎて、ちょっと愚痴をこぼしたくなりました。」

「なんで、爽やかな朝に、君の愚痴を聞かないといけないんだ。愚痴をこぼした...

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めぞん一刻

1月に、高橋留美子が、漫画のカンヌと呼ばれるアングレーム国際漫画祭のグランプリを受賞した。そのニュースを見た時、「めぞん一刻」の中の台詞を思い出せなくて、もんもんとしていた。

「めぞん一刻」は昭和を代表するラブコメディー。年若い未亡人のアパート管理人「音無響子」となんとも情けない「五代祐作」のほの...

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悪だくみ

就業時間が終わる5時半になると、机が隣の法子は、すくっと立ち上がると「お先に失礼します。」と周りに声をかけて帰宅した。携帯用のアプリを開発している会社で、早くリリースをしなければ、せっかく作ったアプリが陳腐化してしまう。仕事は時間との勝負で残業が当たり前のような職場の中、毎日、定時で帰る法子は目立っ...

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