Nicotto Town ニコッとタウン

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眠りの森 〜言葉の雫〜

ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。

煙るソプラノ

夜はただの台帳だ
失ったものの数だけ
静かにページがめくられていく場末のバーの片隅
ベシェの「サマータイム」が流れる
ソプラノサックスの咽び泣きが
ひび割れた心に容赦なく滑り込んでくるあいつの吹く音は重い
まるで濡れたアスファルトだ
容赦のないビブラートが
消したはずの記憶を揺り起こすかつて隣にいた...

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風と追憶つゐをく午前の真珠4

岬(みさき)のまぶしき 太陽(ひかり)のなかを
ひとつの白帆(しらほ)が 遠ざかつてゆく
君と見上げし 眩(まばゆ)き空には
ただ入道雲(にふだうぐも)の 湧きたちて波のあひだを くだくる光は
いつも少しだけ 黄金(こがね)を帯び
忘られぬ あの日の言葉さへ
潮騒(しほさゐ)のなかに 収めたるままな...

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風と追憶つゐをく長崎(みなと)の坂道3

石畳(いしだたみ) 濡れたる坂を
ひとり登れば 異国の薫(かお)り
海のひろが(が)る 崖(がけ)の上(へ)には
ただ群青(ぐんじやう)の 夜(よる)の迫りて遠き汽笛の 掠(かす)れたる声
船の灯(ともしび) 窓にまたたき
さよならの 代(か)はりの接吻(くちづけ)を
あの日 潮風(かぜ)に奪はれた...

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風と追憶つゐをく硝子(がらす)の街角2

雨に濡れたる アスファルト
ガス燈の火は 仄(ほの)甘く
君を失ひし 舗道(ほどう)の上(へ)
ただ青き影の 伸びゆくだけ琥珀(こはく)のなかに 融(と)けてゆく
夜(よる)の吐息(といき)の 悩ましさ
さよならの 代(か)はりの接吻(くちづけ)を
硝子窓に 残したるままなりきされど 遠くで鳴りひび...

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風と追憶つゐをく 雨の停車場1

煙(けむ)る五月の 雨のなかを
ひとつの列車(れつしや)が 遠ざかつてゆく
君を見送りし 灰色のホオムには
ただ冷たき 水たまりの光りて僕らのあひだを 流れたる時間は
いつも少しだけ 翳(かげ)を帯び
さよならの 一言(ひとこと)さへ
外套(ぐわいたう)の隠しに 収めたるままなりきされど 傘をすぼむ...

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