5月の霧笛、あるいは午前4時の終止符
- カテゴリ: 日記
- 2026/05/14 01:27:15
5月だというのに、ここは冷える。
街は深い霧の底に沈み、街灯はただの薄ぼんやりとした黄色の染みだ。
誰もいない波止場のベンチで、私はバーボンを一口含み、
その安っぽい喉越しで、かろうじて現実の輪郭を確かめる。背中を刺すような霧の湿り気は、
かつて私が愛した、あるいは裏切った誰かの指先の冷たさに似てい...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
5月だというのに、ここは冷える。
街は深い霧の底に沈み、街灯はただの薄ぼんやりとした黄色の染みだ。
誰もいない波止場のベンチで、私はバーボンを一口含み、
その安っぽい喉越しで、かろうじて現実の輪郭を確かめる。背中を刺すような霧の湿り気は、
かつて私が愛した、あるいは裏切った誰かの指先の冷たさに似てい...
風はかすかに 僕の髪をすぎてゆき
夜の窓べに 青い影をおとしている
遠い国からとどく 便りのやうに
海はただ しづかな記憶をくりかへす誰もいない渚で 星たちはまたたき
古いオルゴールのやうに 波が鳴る
僕はうつとりと その歌をききながら
すぎてゆつた日々を そつと数へてゐるあゝ あそこにあるのは 小...
窓をひらけば あかるい五月の風が
銀色のさざなみを 部屋へと運んでくる
僕はしずかに 一冊の古い本を閉じて
まだ見ぬ明日の 夢のつづきを反芻する藍色の湖面に 映る雲の白さが
あまりに儚く あえかに揺れているので
僕はひととき 自分の名前さえ忘れて
透明な空気のなかに 溶けてしまいたいと思うしあわせは...
一
窓をひらけば あかるい風の帯が
見知らぬ季節の つぶやきを運んでくる
僕はただ 藍色の湖面をみつめて
遠い日の約束のように 椅子に深く沈んでいるさざなみは 銀色の鱗(うろこ)をきらめかせ
古い手紙の 行間を濡らしてゆくようだ
昨日の僕が ここに置き忘れた言葉を
いまは名もなき 小鳥たちがついばん...
境界線は消え、沈黙すらも闇に飲み込まれた
ここは、言葉が形を成す前に凍りつく場所
「本当の自分」などという小賢しい光彩を
深淵がその巨大な顎(あぎ)で、静かに噛み砕いていく何も見えない。それでいい。
見えるものはすべて、誰かが作り上げた虚像に過ぎない
この底なしの闇の中で、俺はようやく
自分という荷...