ビルが街が地面が凍ってる、歩くたびにザクザクと響く音が心地よい。降ってくる雪は、街を雪化粧。まっくらな宇宙に白いてんてんが、たえまなく落ちてくる。落ち葉さえも凍ったまま浮かんでる、小さな丸い球となって。凍って止まってる。降ってくるあなた、降ってくるわたし。このしあわせをかみしめて、どこまでも歩こう。...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ビルが街が地面が凍ってる、歩くたびにザクザクと響く音が心地よい。降ってくる雪は、街を雪化粧。まっくらな宇宙に白いてんてんが、たえまなく落ちてくる。落ち葉さえも凍ったまま浮かんでる、小さな丸い球となって。凍って止まってる。降ってくるあなた、降ってくるわたし。このしあわせをかみしめて、どこまでも歩こう。...
空気の抜けた自転車の車輪、空気入れがない。車のキーが見つからない、車持ってなかったんだ。財布の中身が寂しすぎる、働いてないからな。着て行く服がない、ジャージでもいいかな。時計を見る・止まってる・・・・、お出かけは・・・中止なり。
銀座三丁目をたどる。駅前通りを横道へそれ、さらに路地を一本入った突き当りにあるアトリエ。古びてはいるけど頑丈なテッコンキンクリートのビル、私の古い変人の仕事場だ。郵便受けは手作りの鬼太郎の家みたいな形をしてる、その横の呼び鈴は天使のお尻をかたどっている。どうせなら若い女性の胸のほうが萌えるのだが、さ...
またあなたと歩けるかな、歩けたらいいな。あのいくつもの分かれ道、細い道。迷ったこと、雨で困ったこと。またあなたと歩きたい、手をつないで。人が多いだろうね今は、あのあたり。異次元みたいな歩道橋、曲がりくねった裏通り。人が多いだろうけど、人がいなそうなところを。ゆっくりと話しながら、またあなたと歩きたい...
友がやって来る、突然に。今は文明の利器があるのに使わない人もいる。こいつだ。今どき携帯を持ってない奴なんて、天然記念物かよほどの変わり者かオンチくんだね。まー私のまわりにはそんな奴らが5人もいるのだから、世界は広いのだ。そんな奴が必ず手土産を持って遊びに来る、律儀な奴である。が・・・・・、その手土産...