人は誰でも自分の姿を鏡に映して、その姿を見ている。でもその鏡には正面しか映らない、二枚合わせると後ろも見えるが。そう、幾重にも重なり合って深い海の底まで続くようにも見える。人と知り合うということは、自分の人生が人と重なり合うこと。自分では見えなかったものを、ほかの鏡が重なることで見せてくれる。鏡の大...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
人は誰でも自分の姿を鏡に映して、その姿を見ている。でもその鏡には正面しか映らない、二枚合わせると後ろも見えるが。そう、幾重にも重なり合って深い海の底まで続くようにも見える。人と知り合うということは、自分の人生が人と重なり合うこと。自分では見えなかったものを、ほかの鏡が重なることで見せてくれる。鏡の大...
私の友人の趣味は多彩で、いつの間にか私もその道に迷い込んでいるときが多い。その中でも石膏人形作りに凝っている奴がいる。奴の話によると澄明な感じのする額と頬をつくるのに、絹雲母の粉末が欠かせないという。それも、できるだけ硬質な水の土地で取れる雲母がいいという。暇なので奴と一緒にドライブを兼ねてお出かけ...
チョット遠出の帰り、車内で居眠りをした。うつらうつらの夢の中で、私は火祭りを見ていた。草地には雪がかぶさっている、凍てついて硬くなったところを新しく踏み込む。踵がひんやりする、足跡は一回り大きくなった。木の枝の雪が綿あめみたいだ、紅いくちばしの白い野鳥が枝をついばんでる。私は近寄ったが野鳥は逃げない...
私のコレクションの中にロケットがある、空へ打ち上げる方だ。書籍・図鑑・フィギュア・ポスター・・・、とかなり色々なものがある。その中でも、お気に入りの書籍がある。「ロケット図鑑」とその名の通り、書いてあるのはロケットと惑星のこと。最新版も揃えているが、この洋書は特別だ。今では絶版になってしまった。当時...
「ここにしますか」静かな喫茶店の隅の席に座った。「紹介が遅れました、私 よしんば と申します」若い人は知る由もない よしんば って。「これでも結構むかしはご要望がありまして」むかしならそうだったのかも知れない。「どうしたことか最近はほとんどお呼びがかかりません」やはり その んば っていうのが現代的...