まだ私はベッドの中だった。ちいさい頃の夢を見ていた気がする、呼び鈴で目が覚めた。扉を開けると悪友が金魚を持って立っていた、「ほら部屋の中、殺風景じゃん・・ほれ」と。最近は色々なものを持って遊びに来てくれるのはうれしいが、生き物とかはあまり持ち込まないでほしいってのが本音である。何でも生きているもの育...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
まだ私はベッドの中だった。ちいさい頃の夢を見ていた気がする、呼び鈴で目が覚めた。扉を開けると悪友が金魚を持って立っていた、「ほら部屋の中、殺風景じゃん・・ほれ」と。最近は色々なものを持って遊びに来てくれるのはうれしいが、生き物とかはあまり持ち込まないでほしいってのが本音である。何でも生きているもの育...
たくさんの引き出しがある。引き出しには丁寧に何が入っているのか書いてある、略称ではあるがだいたいはわかる。当然である自分で入れたものなので、しかしそれ以外は未だに何が入っているのかわからない。たまに開けては世界の裏側を旅するみたいに、チャンネルをガチャガチャと回している。お気に入りの机と椅子に座り、...
挨拶をして、人と食事して。たわいのないことでも笑えて、時間を忘れて話をして。そんな時があるから、つらいことも忘れられる。
ひんやりとした裏道をぬけると、私の行きつけの店がある。扉を開けるとスマートボールのゴロゴロの音、思わず2ゲームほど遊んでみる。奥にはビリヤードの台が並んでいるが、誰もいない。お酒を飲みながら素手でボールを転がしてみる。ナインボールの台だけが、光だけ揺れてちぎれてざわめいている。ふりむいた私の顔は十代...