Nicotto Town


ドリーム・バー 「デスシャドウ」


気が向いたときに、気まぐれで書いております。
が、不定期なのであしからず・・・。

春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」9

 第2章     調査 7月22日 水曜日。小田と太田は菜園場(さえんば)に来ていた。ここは江戸時代、当地に土佐藩主用の菜園場があったことに基づく町名から来ているらしく、現在は飲食店等が立ち並ぶ商店街となっている。二人がここへ来た時には買い物客で溢れていた。
 「うわー、凄い人ね!」
 「うん、夕方...

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春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」8

 「警部、面白い話が聞けました。」
 デカ部屋に飛び込んできたのは小上刑事だった。
 「面白い話?」
 木村は長椅子から飛び起きた。連日の疲れが出たのか丁度、仮眠を取っていた所だったのだ。
 「ええ、現場近くの饅頭屋が話してくれたんですが、害者と共に女がいたらしいんです。」
 「女?」
 「ええ、二...

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春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」7

 「ただいま帰りま・・・・・。」
 「バカモン!今まで、何処をほっつき歩いとったんだ!」
 谷本が事務所のドアを開けた瞬間に老人は怒鳴り声をあげた。
 「スイマセン先生!  警部と会っていたものですから・・・・。」
 「そんなもん、言い訳にならんわい!」
 ここは四条河原町にある古ビルの三階。裏通り...

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春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」6

同日、16時過ぎ。
 高知とはうって変わって、京都市にある府警捜査一課の一室ではバタバタと人が飛び交っていた。三時間程前、南区にある東寺で死体が発見されたのだ。
 「警部、仏さんの身元が判明したそうです。山岡 総一郎、東京、新宿で宝石店を経営しているとのことです。」
 先程まで電話をしていた刑事が男...

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春谷探偵物語 第1巻「序章~始まりは殺人~」5

 「いらっしゃいませ。 あっ、小田さん。お久しぶりです。」
 すっかり顔なじみになった店員が声を掛けてくれた。
 「また、お世話になります。そうそう、今日は連れがいるんだ。」
 「こんにちわ。」
 太田は軽く礼をした。
 「へぇー、もてないお前が女を連れてくるなんて珍しいよな。」
 と言って厨房から...

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