滑り落ちた吸い殻が、濡れたアスファルトに溶けていく
泥にまみれたこの靴で、誰の背中を指差せようか
「生き方」を説く言葉は、とっくにドブ川に流した
俺の喉にあるのは、苦い酒と、飲み込んだ後悔だけだ隣で誰かが道を間違え、奈落へ落ちようとしても
差し出す手は、血と紫煙の匂いが染み付いている
「正しくあれ」...
滑り落ちた吸い殻が、濡れたアスファルトに溶けていく
泥にまみれたこの靴で、誰の背中を指差せようか
「生き方」を説く言葉は、とっくにドブ川に流した
俺の喉にあるのは、苦い酒と、飲み込んだ後悔だけだ隣で誰かが道を間違え、奈落へ落ちようとしても
差し出す手は、血と紫煙の匂いが染み付いている
「正しくあれ」...
雨上がりの熱気が、濡れた駐車場を焦がし
春陽炎が、愛車のボンネットの上で不敵に踊っている
三日三晩、まともな眠りなど忘れていた
瞼の裏が熱く、視界の端で現実がぐにゃりと歪む「仕事」は片付いた
派手なカタルシスも、誰からの喝采もない
ただ、守るべき連中の――
明日からの食い扶持と、平穏な屋根を死守した...
終わってみれば
手元に残ったのは、湿った領収書と
ひどく汚れた靴の先だけだった雨上がりの熱気が、濡れた路面を燻り
春陽炎がアスファルトを毒々しく這い回る
視界の端で、守り抜いたはずの「事実」が
不格好に歪んで見えたあいつを裏切り、こいつを黙らせ
指先には、まだ泥の混じった不快な感触が張り付いている
...
アスファルトを叩いた夕立が
埃の匂いと一緒に 街を洗い流したはずだっただが 濡れた路面から立ち昇る蒸気は
陽光を浴びて 卑屈なほど美しく揺れる
春陽炎――
雨が残した 最後の悪あがきだ水溜りに映る ネオンの破片
歪んだ極彩色のなかで
俺の輪郭さえも 頼りなく解(ほど)けていく「湿っぽいのは 性に合わ...
ぬるい風が
アスファルトの熱をさらっていく
街の輪郭が 音もなく揺れはじめる春陽炎――
やつは 嘘つきな目撃者のように
真実の形を あいまいに書き換えるバーボンの残響
昨日までの乾いた後悔
それさえも ゆらめく光の向こう側へ
溶けて消えればいいと 願う自分がいる「現実は いつもここにある」
タバコの...