金曜日の真夜中、暇を持て余していたあの頃。悪友のひとりがインラインスケートを持ってやってきた。それと、1970年代前半に流行っていたローラーゲームの映像。当時私たちはスキーからボードに変わり、シーズンオフにはインラインスケートで遊んでいた。当時のその映像は中々面白いものだが、これはできないから何か考...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
金曜日の真夜中、暇を持て余していたあの頃。悪友のひとりがインラインスケートを持ってやってきた。それと、1970年代前半に流行っていたローラーゲームの映像。当時私たちはスキーからボードに変わり、シーズンオフにはインラインスケートで遊んでいた。当時のその映像は中々面白いものだが、これはできないから何か考...
大きな空が見たくなると、ここへ来る。あいにくの雨だ、街並みはモノクロームに見える。空をじっと見上げる、街並みを見下ろす。遠くにあると思っていたものが、意外と近くにあることがわかる。高速道路がビルの間を走っている、大型トラックの渋滞が見える。ぽっりぽっりと雨がガラスをたたく、大きな黒い雲が流れていく。...
それが生きていくことと同じと分かったのは、一緒に暮らした二年間。それまでの暮らしは、なんだかとてもぼやけていた。地に足がついてなかった、暮らしのまん中に自分はいなかった。なんとなく時間が過ぎていった、洗濯は洗濯機がやってくれるものだった。洗濯終了を知らせるブザーがなる。夏が過ぎたある日、私たちにも生...
朝いつもよりも早く家を出てはじまりの海を見ていると、雲に乗った男が号外の水飴を配りあるいていた。売り文句はこうだ。大物女優に熱愛発覚 ! ! お相手は映画監督 ! 、彼の次回作で待望の女優復帰か。くわしくは今すぐ水に溶かして飲んでミソ。なんだか、いい一日になりそう。そう、思った。こんな日...
谷底に咲く花々、さまざまな色に咲く花園。
分け入り花びらを散らし葉を揺らし、水に身をゆだね。
揺られ、仰ぐ。
あおぐ、空。