Nicotto Town


ごま塩ニシン


封印された遺書(9)

「連絡頂ければ、葬儀に参列させていただいたのに残念です。」
 藤木文子は困った顔をした。
「それがね。北野さんは亡くなられる前に奥さんと離婚の手続きをされていて、奥さんに連絡したら、もう、別れた相手です。かかわりあいたくないと言って、葬儀の喪主になることを拒否されたのです。古屋弁護士が間に立たれて、...

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脳活日誌1010号

   今日は春日若宮神社の御祭でした。
 三条通を時代行列が寒い中、通り抜けました。田楽座という幟がありました。大名行列もあって、二本差し姿の武士装束や槍持ち、駕籠も通りました。参加された方はお疲れさまでした。何百年と続く伝統行事は大切にしたいものです。散歩の途中だったが、道路は人で一杯なので横道に...

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封印された遺書(8)

 喪中ハガキを手提げカバンに入れると、君岡はパークショップにある『よろず生活館』へ急いだ。電車の中で喪中ハガキを取り出しては何度も読み返した。不審に思う点があった。<ご愛顧賜りました『よろず生活館』ですが、館主北野政頼が十月二十五日に急逝いたしました。新年のご挨拶は失礼させていただきますとともに『よ...

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脳活日誌1009号

   今日は1日中、曇り空。
 風がなかったので気温は低かったが、そんなに寒くは感じなかった。午後から図書館へ行った。借りていた本を返して、新しく借りてきたのだが、次の本を返す日限が来年の1月6日となった。正月休みの関係で年明けになる。何か、寝正月に本を読めるという安心感が出てきた。来年は、一歩前進...

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封印された遺書(7)

 一人で考えて苦しく感じることでも、他人との会話で、自分の悩み事が意外にも小さなことに思えてくることがある。君岡は北野から一般的な事例だと指摘されたことで肩の荷が下りた気になった。弟の事業の行き詰まりによる資金難は母親が父の死亡によって得た保険金と母がコツコツと蓄えてきた貯金で解決できることになった...

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