話の中で彩色の表現をする時、おしゃれなカタカナ文字は避けていた。色を表現する時の纎細な日本語が、忘れられてしまうのが嫌だからと勝手に思っている。若かった頃はカッコつけでカタカナ名を持つ色の名を、それらしく語ったりしていたのだが。それは西洋にただ翻弄されていただけで。そんな記憶が蘇ると、なんとなく恥ず...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
話の中で彩色の表現をする時、おしゃれなカタカナ文字は避けていた。色を表現する時の纎細な日本語が、忘れられてしまうのが嫌だからと勝手に思っている。若かった頃はカッコつけでカタカナ名を持つ色の名を、それらしく語ったりしていたのだが。それは西洋にただ翻弄されていただけで。そんな記憶が蘇ると、なんとなく恥ず...
夕方の帰り道は、かすかに出ている月を見て。しあわせなんて空の中、好き好きなんて風の中。せめて明日の思い出に、その優しさをくださいと。呪文のように口ずさんだ、あの日。ため息のようにうつむけば、頭の上の三日月が笑ってた。冷たくふたりをてらされて、手と手をとった帰り道。
時計は三時、よく思い出す言葉がある。今日のおやつは ? 、母に尋ねると。帰ってくる答えは、ぶんぶく茶釜・・と。またかと、あまり気にしなかったが。母は文明堂とかけてたのだろうと、隣で聞いていた祖母が笑いながら言った。そしてよく出してくれた動物の形のクッキー、味はいまいちだったけど造形は凝りに凝っていた...
体調不良のため冬眠中でし。花を摘む頃になれば、何とかなるのかな。輝くような人に気をとられて、かすんでいる私は消えそうです。ここは砂漠の星空、幻のこの体。