私をお呼びになりましたね!
深夜独り読んでは泣いたりしたのに
もう 要らなくなってしまった
でも 破ったり燃やしたりはできない
そんな手紙が誰にもあるものです
寒そうに引き出しにひっそり取り残され
半分はあなたの心の中にも埋もれている
無理に引き出そうとすれば
刃のようにあ...
昔、昔ギリシャにゼウスという神がいました。
その末っ子の名前はヘルメス!
その800代目の子孫が僕ちゃん!
決して嘘八百ではありません。
自由気ままな僕は泥棒や山賊の守り神
私をお呼びになりましたね!
深夜独り読んでは泣いたりしたのに
もう 要らなくなってしまった
でも 破ったり燃やしたりはできない
そんな手紙が誰にもあるものです
寒そうに引き出しにひっそり取り残され
半分はあなたの心の中にも埋もれている
無理に引き出そうとすれば
刃のようにあ...
何かを抱きしめようとして風は生まれた 風が消えるのを見たものがいないように その誕生を知るものもいない 空だけが体の奥底でそれを感じるのか 何かに口づけしようとしてその鳥は生まれたその鳥こそ君なのか
風に乗って大空を羽ばたくのではなく 地面すれすれに街を切り裂いていく なくした...
東京にも雪が降って 人々は音のない世界の底で眠った 夜が明けると無言の約束のように 朝の光の中で雪かきが始まる けれどもそこはいつまでも雪がなくならない
緩やかな坂を上りきった所にあるガラスの家 盛り上がって固まった雪を誰も掻こうとするものはない そこはノックもせず入り 別...
白くか細い指
表情変えず君は絵を描き続ける
冷たく空気が流れている
描くのはいつも想像の中の海
北風が吹きつけ
刺すような厳しい寒さが白い波になる
自然の猛威に抗うように立つ漁師小屋漆黒の海に波立つ波頭が小屋の下の大地を...
言葉は時に抱擁され絶滅した遺跡だから
そこには誰も住んではいない
時にひっそり真理が息を潜め
誰にも見えないように隠れているというが
私の小舟に乗せてはやらない
初めての旅に出るには
無言でなくてはならないのだ
世界はぼんやりと暮れてくる
眠くなってきた
私は天上の光と...
|