ゲームをしよう、と彼が言った。
「これから僕がする質問に、君はすべてNOと答えるんだょ」
「いいわ」
食後のバーボンを口に含みながら、彼女がうなづく。
「質問1。白いバラの花束は好き ? 」
「NO」
「宝石は ? 」
「NO」
「フィレンツェで初めて逢った時、僕の印象はすごく良かった ? 」
「・...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ゲームをしよう、と彼が言った。
「これから僕がする質問に、君はすべてNOと答えるんだょ」
「いいわ」
食後のバーボンを口に含みながら、彼女がうなづく。
「質問1。白いバラの花束は好き ? 」
「NO」
「宝石は ? 」
「NO」
「フィレンツェで初めて逢った時、僕の印象はすごく良かった ? 」
「・...
煌く虫たちが、静にたたずむ万年筆がある。
万年筆は今やとてつもなくすごい事になっている、
ただの筆記用具ではなく趣味の道具やアクセサリーとして認識されているのだ。
そんな中セーラー万年筆が世界的に認められた日本のジュエリーデザイナー、
穐原かおる氏の手掛けるブランド「ギメル」とコラボし美しい万年筆を...
ススキの穂が揺れていた、
その中に小さな女の子。
何処の女の子かな~、どこかで見覚えある女の子。
「だれだっけ ? 」
秋風が吹くススキ畑、みんな同じ方向に頭を下げている。
その女の子が走ると、ススキ畑はみるみる広がっていった。
どこまでもどこまでも、ススキ畑。
なんだかとても懐かしくなって、その女...
小さい頃、移動遊園地が街によくやって来た。
街には公園はあるけど遊園地はなかったからね、
定期的にやって来るんだ。
それがものすごく楽しみで、
街にポスターが貼られた日には母によくおねだりした。
その遊園地に連れて行ってもらい、必ずと言っていいほど乗る回転木馬。
私は今でもよく覚えてる。
天幕は青と...
ある日ヒマワリは太陽を見て驚いた、
「太陽ってあんなに光ってるんだ」
気がつくと空いちめん光ってる。
地面も水も森の木も虫たちも光って見えるのは、
太陽が光ってるからなんだ。
「知らなかったょ、いつも見ていたのに」
驚いたとたん胸の鼓動はドキンドキンと大きく動いた。
あたりはますます眩しくなってく、...