Nicotto Town



祇園祭

 京都の夜
鴨川の土手の上
川面を見つめ

打ち上げ花火
ヒュルヒュルと天に舞い
落ちてくるは落下傘
ついでに見える空飛ぶ円盤

四条通を歩く
人、人、人
絣の着物が美しい
提灯が明るく鉾を照らしだす

新町通りに入る
夜店、芋を洗うような人
売り声に掛け声
それ以外は聞こえない
ここにも...

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朽ち果てた橋の上から

森の奥深くに流れる川

私の心はその清流と溶け合って
海へと下って行く

手で触れると雪融け水のように冷たい
とても

そして愛も砕けながら溶けていく
涙と共に

夢の亡骸も流れていく
急流の中

すぐに岩にぶち当たり
粉々に砕け散った

わたしは朽ち果てた
橋の上からそれを見ていた

想いを一つ流...

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ペインティング Ⅰ

透明な魂が空を飛ぶ
雑踏の中に入り込む隙間を探して

今は正解もなく
時間だけが過ぎ去っていく

きっと浮遊する魂の帰る場所は
どこかには有るのかも知れない

そこに幸せの欠片が落ちているとは思わない
それは自分が作り上げるものだから

色を塗ってみたい
その欠片に

自分の信じる色を
幾重にも

...

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星の香り

木漏れ日になれない星の光が
やさしく枝葉の間から声をかけてきた

それは透明な金や銀の糸となって
私に纏わりついた

見上げると月明りの下
何千もの葉が映し出されている

それらは黒い小さな無数の手となって
糸を持ち風にそよいている

織姫はもしかしたら
この星の糸を織っているのかも知れない

どこ...

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ダンゴ虫

ダンゴ虫が丸まって
さて、さて、さて、さて、何処へ行く

転がる転がるダンゴ虫
お庭の隅へとたどり着く

割れた瓦の下側へ
急いで入りじっとする


ダンゴ虫が歩いてる
ゆっくり、ゆっくり、何処へ行く

それは、それは、たくさんの足
せか、せか、せか、と動かして

割れた瓦の下側へ
急いで入りじっと...

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