携帯が鳴った、例のリズムで。
それは登録しているマスターからの℡である。
「ハィ」
「今夜・・・彼女来るょ」
私はその先の言葉が出なくてもわかった。
「行くょ・・・・」
ゼブラ夫人のことである、
あれから何度か来ているらしいがすれ違いで面白い話がきけないままだ。
そんなこんなでマスターもゼブラ夫人の...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
携帯が鳴った、例のリズムで。
それは登録しているマスターからの℡である。
「ハィ」
「今夜・・・彼女来るょ」
私はその先の言葉が出なくてもわかった。
「行くょ・・・・」
ゼブラ夫人のことである、
あれから何度か来ているらしいがすれ違いで面白い話がきけないままだ。
そんなこんなでマスターもゼブラ夫人の...
私は時々お酒を飲みながら、タロットカードを一枚だけ開く。
それもだいたい海を見た日がなぜか多い、
南回帰線の船が汽笛を鳴らしながら白い煙が少し見える。
占いを信じているわけでもない、なら何故に。
ほんの暇つぶしである、何て奴だ。
朝もテレビで今日の運勢なんてのも、何気に見ている。
しかし運気がいい時...
いつも昼か夜ばかりだから、
たまには開店したばかりのお店に顔を出す。
扉を開けると開店したばかりの店内には、
それまで焙煎してた香ばしい豆の香りが漂っている。
その香りを楽しみながら、
マスターがじっくりと時間をかけて淹れる一杯のコーヒーを待つ。
期待が頂点に達した時、
ようやく口にする一口め。
淹...
今なぜ白いツールなのか。
大きな文房具店に行ってぶらぶら周りを眺めてみると、
以前と比べてペンや手帳など白い文具が多くなったように感じる。
それは何故、流行なのか。
携帯する白のツールの始まりは結構前からあったように思うけど、
その年の流行の色がどうしても持てはやされる。
白黒はなんにでも合わせやす...
雨の一日、しとしと降る雨に誘われてきっちゃ店へ。
最近疲れすぎてるせいもあり、ゆっくりと早めのランチ。
コーヒーを飲み終えて思い出した、
あの何とも言えない飴のこと。
「マスターこの間の飴、美味しかったょネ」
「ゼブラ夫人のか・・・」
私とマスターが貰った飴は違ったのだけど、
わたしの飴は美味しかっ...