王様は、乙女に、貴方は何なのか、なんと呼べばいいのかと尋ねました。もし聞いてもいいのなら、と付け加えることも忘れませんでした。聞いてはいけないことを聞いて、相手を怒らせるということは、古いお話によく出てきます。乙女は答えました。「この国は、私たちの世界と、境を接しているの。私たちの世界からこの世界に...
王様は、乙女に、貴方は何なのか、なんと呼べばいいのかと尋ねました。もし聞いてもいいのなら、と付け加えることも忘れませんでした。聞いてはいけないことを聞いて、相手を怒らせるということは、古いお話によく出てきます。乙女は答えました。「この国は、私たちの世界と、境を接しているの。私たちの世界からこの世界に...
お待たせしました(待ってなかった?)。後半連載開始します。祝日に加筆修正し、9話じゃなくて、切り良く10話にしてみました。なので、びっくりスパイスは、最終話に。そう意図はしてなかったのに、王妃が主人公のような感じになりました。チャイさんからの、意外な高評価のせいでしょうか。それにしても、固有名詞が一...
王族には、生まれた時に予言を授ける魔女がいます。いつも同じような格好をしていますが、いつも同じ魔女かはわかりません。予言も当たるのかどうなのか、重大なことなのか些細なことなのか、当人でなければわからなかったりします。しかし必ず来るものなので、周りの大人(産婆さんとか、出産に立ち会った、王の姉妹とか)...
「ええええーーーーー!!」大きな声が響きました。物陰に隠れていた、王女の上げた声でした。「お兄様、蛙になっちゃったの?!どうして??」王様は盗み聞きを窘めようか逡巡して、諦め、王妃の答えを待ちました。「すべては私が悪いの。私の卑しい心がそうさせたのよ」王妃は王を見つめ、涙を流して言いました。「私は、...
気弱な王様は困っていました。世継ぎの王子をどうしたのか、王妃に問い質さなければなりません。どうしてそんなことをしたのかは、聞かなくてもわかっています。腹違いの王子よりも、自分の産んだ娘のほうに王位を継がせたいのです。この国では女性の即位は認められていませんが、王家の血を引く男性は、王様の他には王子し...
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