夏闌の、君にひき裂かれた風
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/08/12 00:51:16
青いカンヴァスに、一本の白い線。
灼熱の硝子(がらす)のなかに、
ぼくらの灯台は突っ立ってゐる。
逆光のなかの、鋭い沈黙。波は、くだける貝殻のひびき。
光のつぶてに追はれながら、
海鳥たちは、ひくく、また、たかく、
失はれた歌の一行(いちぎょう)をなぞる。風はどこから吹いてくるのか。
ただ、まぶしす...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
青いカンヴァスに、一本の白い線。
灼熱の硝子(がらす)のなかに、
ぼくらの灯台は突っ立ってゐる。
逆光のなかの、鋭い沈黙。波は、くだける貝殻のひびき。
光のつぶてに追はれながら、
海鳥たちは、ひくく、また、たかく、
失はれた歌の一行(いちぎょう)をなぞる。風はどこから吹いてくるのか。
ただ、まぶしす...
灼熱の光は、ぼくらを刺す刃(やいば)。
淡い薄瑠璃(うするり)の空を、ひき裂くやうに、
白い灯台は、ただ、突っ立ってゐる。
逆光のなかに、君を置き去りにしたまま。風は吹きつのり、砂を噛む。
それは、ちぎれた幸福の吐息(といき)。
海鳥たちは、パステルをこぼした波の上、
狂ったやうに、君の名を呼びつづ...
月光が海の彼方へ消え去り
世界が最も深く沈み込む時間
波止場を包む空気は
氷のように冷たく張り詰めている水平線の向こうから
世界をそっと揺り動かすように
湿った潮風が吹きつけ
トレンチコートの襟を激しく叩く耳の底で小さくリピートする
サラの消え入るようなラストノート
夜の終わりを告げるメロディが
波...
深夜二時の十字路
ネオンの灯りが途絶えた場所で
行き場をなくした風が
トレンチコートの裾を揺らすかすかに聴こえるのは
夜の隙間を埋めるサラの低音
傷ついた心に深く深く染み渡る
優しく、重い、愛の告白「私の愛を受け入れて」寂れた波止場へ続く道
足音だけが夜の静寂を刻む
錆びついた錨(いかり)の向こう
...
1. 乾いた陽炎、湿ったジャズアスファルトが吐き出す熱気に
追われるように重い扉を押し開ける
そこは冷房の壊れた真夏の墓場
うらぶれた酒場には 凍りついた時間が澱んでいる
ジュークボックスが軋む音を立てて
ビリー・ホリディの掠れた声を取り出した
"God bless the child t...