Nicotto Town



もうひとつの夏へ (1)

その日は朝からやけに蝉がうるさかった。今思えばあれが虫の知らせって奴だったかも知れない。
毎晩の暑さにうなされ、今夜もようやくうとうとし掛けた時に、不意に電話が鳴った。

「見たことのない番号だな」 

普段なら出たりはしないのだが、なんとなく通話ボタンを押してしまった。

「もしもし」女の声だった...

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そして夜闇に舞い降りる

人の世の、喜びも悲しみも

悠久の宇宙では一瞬の星の瞬き

万物が流転 

そう全てが最初から仕組まれていたこと

宇宙で、底知れぬ闇の淵で

いつ果てるともしれぬ無数の光の消長を見続ける者

そいつが仕組んだ、余りに巨大で余りに馬鹿げた

イリュージョン

なれば、すべては幻で、虚ろなる夢に過ぎず...

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いつか、めぐり合う日まで

傷つけあい、涙を流させた夜明け

互いに許しあう術を知らず

道を分かち合ったね

互いの距離は離れてゆくけど

出会った日のときめきは、今も焼きついているよ

失くした者の、大きさに気づいて

けれども、動き出すには遅すぎて

眠れない夜に、一人

君のくれた優しさを想い出す

僕の背中にも、貴女...

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補足

ちょっとした解説とその後のリンクする物語。

前回のブログですが、当初のプロットと大きく着地点がずれてしまいました。

最初はラブレターを渡して、終わりの予定でしたが。

読んで頂いた通り、ラブレターは渡されていません。

結局、奇跡的な時間を共有した2人が自然と結ばれる話になったわけです。

なぜ...

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ただ、月のみが2人の果て無き愛を見ていた

僕は、一体なにをしているのだろう?

30mほどのそびえ立つビルを見上げながら、恭介は考えていた。

角を曲がり、彼女と出会ったのが、ほんの数分前・・・。

角を曲がって、くるりと180度回ってもどるのはかなり怪しい。

だからといって、そのまま大富豪ビルに飛び込む理由も僕にはない。

どうするどう...

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