Nicotto Town ニコッとタウン

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遺伝子の檻2

真夜中のダイス午前二時、部屋の明かりを消すと、
闇は音もなく、俺の輪郭を侵食し始める。グラスの中で溶ける氷が、乾いた音を立てる。
それは、誰にも届かなかった祈りが砕ける音によく似ている。窓の外、再建された浦上の天主堂が、
月明かりに照らされて、巨大な墓標のように佇んでいる。
親父たちが流した血、母親...

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遺伝子の檻

母親から譲り受けたのは、古びたロザリオと、
得体の知れない「影」が染み付いたこの身体だけだ。一九四五年、あの閃光を浴びたのは俺じゃない。
だが、その毒は俺の細胞(コード)のどこかに、
見えない弾丸として装填されている。病院の待合室、消毒液の匂いに咽せながら、
俺は自分のカルテを、まるで未解決事件のフ...

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戯言3

まだ喋り足りないか
その「中立」という名の、卑怯な逃げ場所で
安全な観客席から石を投げ、当たれば英雄、外れれば傍観者
お前の正体は、誰の血も浴びていない清潔な臆病者だ「客観的に見て」「冷静に判断して」
便利な言葉の鎧を着込んで、何をそんなに怯えている?
お前が守っているのは、真実でも正義でもない
傷...

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戯言2

砂の城の雄弁家光る板きれに指を滑らせ
お前は正義の執行人になったつもりか
流れてくる数字と、誰かが書いたシナリオ
それを噛み砕きもせず、涎(よだれ)と一緒に吐き出す「時代が、」「国が、」「民衆が、」
主語を大きく膨らませて、自分の空っぽさを隠すな
安全な防波堤の内側で、荒波を語るのはもうやめろ
お前...

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戯言

泥水でも啜ってろ氷の溶けきったグラスの底に
お前の甘ったれた言い訳が沈んでいる
世間が悪い、運がなかった、誰も分かっちゃいない
聞き飽きたブルースだ、針を上げろ鏡を見てみろ
そこに映っているのは悲劇のヒーローじゃない
ただの、ずぶ濡れで震えている野良犬だ
昨日までの夢を温め直して、何になる?
土砂降...

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