Nicotto Town



「微睡君」の物語の続編、第九節

微睡君は、海辺の町にいた。駅から歩いて十五分ほどの場所に、小さな宿を見つけた。部屋にはテレビもなく、壁は薄く、風の音がよく響いた。それが気に入った。
朝、微睡君は浜辺を歩いた。砂は冷たく、靴の底から足に伝わる。波は規則的に寄せては返し、何も求めてこない。それが、彼にはちょうどよかった。誰かを思い出す...

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第七節(試案)

微睡君はワインを飲みながら、窓の外の空を見ていた。雲はゆっくりと流れていて、何も急いでいなかった。その様子が、微睡君には少し羨ましく思えた。
誰かを必要としないことは、特別な才能ではない。
ただ、そうするしかなかっただけだ。誰かを求めれば、何かが始まり、そして終わる。
その繰り返しに、微睡君はもう疲...

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❖ 詩:恋の構文は閉じない ❖

⌘ 君の気配は、カーソルのように点滅する    触れられそうで、触れられない
* 夜のコードに紛れた「好き」の断片    意味を持たないまま、実行される
( ) 括弧の中に隠した感情は    誰にも呼び出されないまま
~ ぼくの想いは、波形...

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特殊文字を弄ぶ孤独

⌘ 誰もいない夜のコマンドライン    ぼくは「&」を撫でて、君の名を呼ぶ
* 記号でしか語れない感情がある    「_」の下に沈めた、言えなかった言葉
§ 世界は整然と並ぶけれど    ぼくの中の「{」は、まだ閉じられな...

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雑談

うちの猫、私が落ち込んでるとそっと近寄ってくる。
でも撫でようとすると去っていく。
……励ましの距離感がプロ。

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