Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


日々のはざまについて、
地上でみた夢の記憶、
地中で見られた眠りのすきま、
絵画や小説、想像世界、花たちなどについて
静かに渡りを記述しています。

無言の幻想

今日も日中、外にいた。
家の近くはこっそり、湧水がでるところが多い。
たいていは湧水が出るところは、公園になっている、
なかには公園なのにその区画だけ金網をして
入れないようにしているところもあるが、
どうも、見た限りでは、二軒ばかり、庭に
湧水のある家がある。
ひとつは、どこかのパンフレットでみた...

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どこにもあってここにいない 2

「私は夢を見ているような気がした。それが現実の町ではなくって、幻燈の幕に映った、影絵の町のように思われた。だがその瞬間に、私の記憶と常識が回復した。気が付いて見れば、それは私のよく知っている、近所の詰まらない、ありふれた郊外の町なのである」
(萩原朔太郎『猫町』)。

町を歩きまわる仕事もはじめた。...

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オーバーサングラスごしにみる世界は…

まだ梅雨開けもしていないのに、このところ、日中外にいると、
日射しに眼がひりひりしてしまう。
屋内に戻っても、小さな傷でもできたように痛んでいる。
眼薬もほとんど効果がない。

わたしはおよばれ的なものに出かける時だけ、コンタクトをつけているが、
あとは大半は眼鏡生活。
長年コンタクトだったせいか、...

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『猫町』の、二つの面

「一つのものが、視線の方角を換えることで、二つの別々の面を持ってること」
(萩原朔太郎『猫町』)

田んぼ湿地と呼んでいる近所の公園の田んぼ
(まだ早い稲の苗の間から水が見える)
を、いつもと別の方角から写真に撮る。
紫陽花と田んぼ湿地に苗の間から見える、映った空と、
張った水の下の土が
凝縮のよう...

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どこにもあってここにいない

今日は真昼から4時まで、外にいた。
暑かった。日射しがのったりと、
隠していても、くいこむようだった。
歩いているうち、
思考回路がだんだん、にぶくなってくるのがわかった。
街を現実として歩いていた、もうろうとしながら。
知った筈の道のほんの裏側を歩いただけで、
未知の空間にまぎれてしまったような、...

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