霧の鷹留城と矢背負稲荷【その1.2】
- カテゴリ: 自作小説
- 2017/11/28 10:51:52
彼の住む集落は、大久保の里から沢が榛名山に向けて伸びる谷津にあった。
谷津から東へ向けて斜面を登ると中腹に社があり、脇を通り抜けて更に登ると鷹留城の大手門へ通じている。谷津を南に降り出口の西側の高台には、砦が築かれてその本廓には鷹留城守将の一人石井讃岐守が館を構えていた。これは鷹留城の守りを固め...
自分の思った事、感じたままを人に伝える事って実は難しい。「なにそんなんで感動するわけ?」って事が往々にして起こりうるからだ。
彼の住む集落は、大久保の里から沢が榛名山に向けて伸びる谷津にあった。
谷津から東へ向けて斜面を登ると中腹に社があり、脇を通り抜けて更に登ると鷹留城の大手門へ通じている。谷津を南に降り出口の西側の高台には、砦が築かれてその本廓には鷹留城守将の一人石井讃岐守が館を構えていた。これは鷹留城の守りを固め...
1.1
梅が薄紅色のつぼみを膨らませると、野山は柔らかな光に当てられて輝きを増している。私はその時、野ネズミなどの小動物が土から這い出して来た虫を目当てに、嗅ぎまわるのを眺めていた。
すると里から沢伝いにの少年がやって来た。蓬色の直垂に袴姿で、髪は長く馬のしっぽのように後ろで束ねている。脇差...
3.インしたお
頭上の点滅に気が付くと、すっと体が軽くなったような感覚と共に意識が遠のき、気が付くと板の間に正座している。
「聞いとるのか、吉春」
ぼーっとしている頭にいきなり火花が散った、きっとそうだ、端からしたらそう言うエフェクトが掛かって見えてるはず。
「いてっ、いたいよ、おじいちゃん」うそ、...
2.キャラクリ
そこは丁度漫画喫茶の個室であった。リラックスチェアーがあり、前方にはモニターとLEDが光るそれっぽい装置が高級とはとても言えないラックに備え付けてある。脇にある細身のロッカーには『衣服を脱いでから装着してください』とあった。開けて手に取ると、とても軽くて簡素な宇宙服のように見える。...
1.招待状
「やっべー、当たっちまったぜ!」
俺は郵便受けをあさると、待ち焦がれたこの愛しい先行体験招待状ちゃんを手にして、思わず叫んでしまった。
『みよ! このフルだいぶ技術の結晶、全身感応ハイパーうるとらVRあとらくしょん』
売り文句が凄い。
最終幻想や世界的創造戦など今までのオンラインゲー...