Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



緊迫の夜3

正義の重さを知っているか。
それは、タンカーが運ぶ数百万バレルの黒い沈黙よりも、
ずっと計るのが難しい。同盟の握手は固いが、
その手のひらの下で、俺たちは別の男と取引をする。
背広を着た男たちは、会議室で「結束」を誓い、
作業着の男たちは、埠頭で「延命」を荷揚げする。東からの風が、ウクライナの慟哭を...

>> 続きを読む


緊迫の夜2

夜の埠頭は、沈黙という名の重い外套を羽織っている。水平線の彼方から滑り込んできたのは、
かつて「ならず者」と呼んだ男が差し出した、黒い毒薬だ。
指を汚さず、清らかなままでいたい。
だが、空っぽの腹に理想は流し込めないし、
冷え切った部屋で正義を燃やすこともできない。「背に腹はかえられない」
誰かが吐...

>> 続きを読む


緊迫の夜

北の凍てつく波濤を越え、
巨大な鉄の塊が、静かに日本の港へと舳先を向ける。サハリンの深層から汲み上げられた、重く黒い液体。
それは経済の論理と、冷徹な現実が交差する境界線上を、
音もなく滑るように進んでくる。正義か、あるいは必要悪か。
その問いを飲み込むように、
タンカーの底に眠るエネルギーは、ただ...

>> 続きを読む


陽炎の断片4

蒼い残像五月の夜は、生ぬるい風がネオンの海をかき混ぜる。
陽炎はアスファルトの熱を抱いたまま、
夜の底で死に損ねた幽霊のように、まだ揺らめいている。
カクテルグラスの縁で踊る光は、
誰かがついた嘘の数だけ、余計に眩しく見えた。街は眠ることを忘れ、贅沢な孤独を売り捌いている。
ビルの隙間に張り付いた影...

>> 続きを読む


陽炎の断片3

季節は勝手に、華やかな装いに着替えていくが
俺の心までは、この日差しにupdateされちゃいない
使い古した革靴の底にこびりついた
過去という名の泥を、どこで落とすべきか迷っている追いかけた答えなんて、しょせんは陽炎だ
手を伸ばせば指をすり抜け、立ち止まれば嘲笑うように揺れる
肺の奥に溜まった濁った...

>> 続きを読む





Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.