「山男とサーファー」14
- カテゴリ: 日記
- 2010/09/30 17:06:20
「ポール・ベールに話を戻すと、彼がまず最初に気付いたことは、減圧室の空気を徐々に抜いていくことで、自由に高度を設定することができたことから、その中に人を入れて放って置くと、全く高所と同じようにコロリといってしまうが、その中で酸素を吸わせれば、驚くほど回復するってことが判った。二番目には、人の血液に...
政治・経済その他医療・法律・社会保障制度・いじめや犯罪についての分析、論評などが中心。
また文芸・文学などの随筆が中心。
また、芸能界・芸能人の話題など取り上げます。
硬い文章もあり、くだけた話題も取り上げたい。
愚痴も多いです。
「ポール・ベールに話を戻すと、彼がまず最初に気付いたことは、減圧室の空気を徐々に抜いていくことで、自由に高度を設定することができたことから、その中に人を入れて放って置くと、全く高所と同じようにコロリといってしまうが、その中で酸素を吸わせれば、驚くほど回復するってことが判った。二番目には、人の血液に...
ヘビースモーカーの多い俺たちのパーティーは、高所行きの為、少なくとも半年以上は禁煙をしていた。
街の灯の下では自由に吸い、飲めた煙草も酒も、高所ではきわめて慎重に楽しまなければならないのだ。
唯一パキスタンのグルカ兵より貰ったウオッカも、みな自重して口をつけなくなった。というより、俺に遠慮してな...
「やってみれば、そんなに難しくはないでしょう」
「常にバランスを保つことに注意しなければならないから、これはかなり習熟を要する技術だな」
「大丈夫ですよ。もう二、三回来て練習すれば、ある程度のタイミングもつかめるし、君だったらできますよ」
「アイスハンマーを引き抜いて、ハーケンを打ち込む時だ...
六 四日間荒れ狂った天候も、五日目の払暁を迎えるころになるとピタリと止み、その神々しいまでのシルエットをくっきりと浮かびあがらせて、ナンガは聳え立っていた。
俺は早速、M君と二人で、ナンガの全容を観察にでかけた。
登攀ルートの確認と、M君から教わっていたピオレ・トラクションを、実際に試してみる...
二日目の夜を迎え、外は雷鳴さえ轟き、まるで嵐のような様相を呈していた。
俺は吹きすさぶ風の流れと、ミシミシというテントの軋む音を聞きながら、分厚い羽毛の入ったシュラフに潜りこんだ。
ナンガの咆哮を聞きながら、イスラマバードに到着してから、今回のラワルビンディーを出発点とした、楽しくも辛いキャラバ...