星屑とこおろぎの丘によせて(孤高の夜に)
- カテゴリ: 小説/詩
- 2026/08/30 10:34:27
ただひとつの足音もなく 夜は更けてゆき
丘のうへの枯れ草は 冷たく身をこわばらせる
見上げる天空の 凍てついた星屑らは
ぼくの届かない場所で ただ無口にまたたく草の根に こおろぎの細い銀の糸が
深い闇の底へ たえ間なく沈んでゆく
それは だれに聴かれることもない祈り
消え入るような ぼく自身の息づか...
ようこそ。ここは、胸の奥に深く沈んだ悲しみや、消えない寂しさを、一滴の水滴のようにそっと救い上げる場所です。木々が深い影を落とす静寂の森。そこは、誰にも見せられない孤独な涙や、言葉にならなかった切ない想いが静かに息づく世界です。独りきりで佇む夜、心に溢れる冷たい雫を、壊れやすいガラス細工のように大切に綴ります。果てしない寂しさに寄り添い、あなたの孤独の影をそっと包み込めますように。静かな痛みを分かち合う、終わらない夜の記録です。
ただひとつの足音もなく 夜は更けてゆき
丘のうへの枯れ草は 冷たく身をこわばらせる
見上げる天空の 凍てついた星屑らは
ぼくの届かない場所で ただ無口にまたたく草の根に こおろぎの細い銀の糸が
深い闇の底へ たえ間なく沈んでゆく
それは だれに聴かれることもない祈り
消え入るような ぼく自身の息づか...
そよ風は かすかな草の匂いをはこび
藍色の闇のなかに ひそやかにひろがる
見上げる天空の またたく星屑らは
いつか失われた 古い約束のようだ足もとで こおろぎの細い銀の糸が
夜の深さのなかへ たえ間なくつむがれる
それは ぼくの心にのこる小さな歌
きみがもう忘れてしまった 消え入りそうな歌かなしみは...
僕はただ しづまりかへつた森にゐる
声をなくした つめたい風の森よ
梢をわたる風さえも いまは息をひそめ
世界のすべてが しんと凍りついてしまったごらん 音もなくこぼれる月明かりが
影ばかりの僕の足もとを 白く照らすのを
あんなに遠くへ去つてしまった 僕の時間(とき)は
この深い沈黙の底に 深く沈ん...
僕はまた ひとりで帰つて来たけれど
なにひとつ語らぬ うつろな風の森よ
梢をわたる かなしいソナチネのやうに
遠い幼い日のあしおとが いまもきこえるごらん 冷たい月明かりのしづくが
ぬれた僕のまぶたに そつとこぼれるのを
あんなに輝いてゐた みどりの季節は
夜の青いひかりのなかに しづかに消えた風は...
笑顔の裏で言葉を研ぎ
背を向けた瞬間に
泥を投げつけるそれがこの街の、賢い生き方らしい後足で砂をかける裏切りも
隙を狙って寝首を掻く闇討ちも
本質はどれも同じ
信じた者を嘲笑う、浅ましい遊戯大義名分という名の看板を背負い
汚い泥水の中で
嬉々として踊り狂う有象無象どもただの、冷淡な背景だ他人に期待す...