「貴様は、魔王の裏切り者アァンドォ魔王の弟かぁぁぁ!!」
普段「ギィ」としか言わない扉を「バッタァーーーン!」と無茶な音を響かせて詰め所に飛び込んできたヨウロン。はてなマークでは話にならないと判断して確かめに戻ってきたのである。
すでに戻ってきていたゲイドとリルドはあっけにとられるしかなかった。...
「貴様は、魔王の裏切り者アァンドォ魔王の弟かぁぁぁ!!」
普段「ギィ」としか言わない扉を「バッタァーーーン!」と無茶な音を響かせて詰め所に飛び込んできたヨウロン。はてなマークでは話にならないと判断して確かめに戻ってきたのである。
すでに戻ってきていたゲイドとリルドはあっけにとられるしかなかった。...
「オレの名前はゲイド…んで、コッチの魔族がヨウロン」
一応の自己紹介を終えて、これからの仕事の話が始まる。
なんだか、滑稽だが詰め所の人間にとっては日常の業務説明だし、新人で今日から働く事になったリルドとカリスにとってはきちんと説明を聞いて仕事を理解しないといけない。その為の正しい作業のはずなの...
キャラバン隊と離れて二人で旅をすることになった。
リルドは別れを惜しんでいるようだが、カリスは気にも留めていなかった。
確かにいい人も多かったが、暴走のたびの陰口はひどいものだった。暴走の頻度が増すたびに、陰口は酷くなっていく。
このままでは、日常でも暴走しかねないと心配していた。
「しかし...
「それで、予算をいただきたいのですがよろしいでしょうか」
北の大国…王城の玉座の間に繋がるはずの扉の前。なにやら楽しげな魔族の声が響く。
「…人間に魔物の種を埋め込む…か」
扉の奥から響いてくる声。魔王と呼ばれる者の声であることは間違いないようだが、なにやら抑揚無く疲れをにじませている。
「...
深夜には疲れるね
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