Nicotto Town


✪マークは作り話でし


✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし

秋色

夏色が遠ざかって、静かに秋色が近寄ってくる。私を乗せたバスは、紅葉に向かっている。

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空の色

空よりも、もっとうすい白い雲が。ほそながく浮かんでいる。数分後には、その雲は位置を変える。雲は、風向きに流されてる。今日の風は冷たい、強い風でときどき街の雑踏が消える。この街の空の色は、うすい。ぬけるような青空の日は、数えるくらいしかない。だけど、このうすさに救われるときがある。この空の色に安心する...

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首飾り

小抽斗の中の襟巻と首飾り、どちらの品も母の形見である。誰しも形見みたいなものは、ひとつくらいは存在するだろう。どちらの品もよく覚えている、母のお気に入りで出かける時にはよく着けていたから。あまり装飾品の類は持たなかった母、唯一の品と言ってもいいくらいだ。小抽斗にはひとつだけ蝙蝠をかたどった取っ手がつ...

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空飛ぶじゅうたん

自分の部屋の傷んだじゅうたんを見ながら、幼い頃に父に連れられて海外に何度か出かけた、そんな子供心に残る不思議なお店。当然お店に書かれている文字を読めるはずもなく、父に尋ねると空飛ぶじゅうたんの店だと言った。疑うことを知らない子供の私は、それはもうときめいたのは言うまでもないこと。アラビアンナイトとか...

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うれしい気持ち

うれしい気持ちが顔に出る、私。だから、奴らの前ではわざと神妙な顔を作る。電車の中で、よくニコニコしている私。これではいかんとうれしい顔は、もうしばらく後にとっておこう。もうしばらくのあいだ。

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