昼下がりに裏山のくねくねした道を昇って行く、
紅葉がキレイな山間の道は何度か歩いたお気に入りの道。
この時期だけの草や土の匂いに誘われるように気分よく昇って行く、
目の前の曲がり角を誰かが曲がって行くのが見えた。
何となく気になって私は足を速めた、
すると大きなかばんを持ったチェックのセーラー服の少...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
昼下がりに裏山のくねくねした道を昇って行く、
紅葉がキレイな山間の道は何度か歩いたお気に入りの道。
この時期だけの草や土の匂いに誘われるように気分よく昇って行く、
目の前の曲がり角を誰かが曲がって行くのが見えた。
何となく気になって私は足を速めた、
すると大きなかばんを持ったチェックのセーラー服の少...
森の木は春には若葉を出します。
冬には葉を落ちさなかった杉の木や松の木や椿の木は、
隣近所の木々に葉っぱが生まれて行く時期が大好きでした。
小さな芽が出て小さな葉っぱが生まれて成長していく、
自然の生命の力を毎年感動していました。
その時期から森はにぎやかになります、やぁ今年もお会いしましたネ。
ヤ...
どうせ忘れられると想うのでしようか、
指切りを契す子供を観かけませんね。
錆ついた泣き声のブランコにゆられ、
冬の陽落ち刻ぼんやり一人口づさむ。
指切りしてよね、
約束してよね。
嘘をついたら、
針千本飲ます。
あたしを忘れたら針千本飲ます。
あの日からませたはずの小指の温さに、
身をよじりながら...
恋とは素潜りのようなものだと彼は言う、
その彼氏は不倫をしている、私はと言えば誰ともつきあってはいない。
きっと恋には自分の年齢に見合った水深のようなものがあって、
若いころの水深はとても浅く足の膝が隠れるのがやっとの浅瀬。
そこでビーチボールやフリスビーなどで遊ぶのが何より楽しい、
気が向けば砂浜...
街角で不思議な服を着たおばさんが、
今にも空に飛びそうなくらいにたくさんの風船を持って売っていた。
その色とりどりの風船はとても美しくキレイな色、私は一っ買った。
私は風船を持ってかけた、花畑をかける時は花の色。
晴れた日は晴れの色、街をかける時は街の色にだんだん染まった。
空を飛ぶ時はもちろん空の...