♚ 月の夜、
♛ 女はみんな魔女になる。
♜ 祈りをこめてカードを操る。
♝ 紙ずれの音で、
♞ 胸騒ぎをかきけすように。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
♚ 月の夜、
♛ 女はみんな魔女になる。
♜ 祈りをこめてカードを操る。
♝ 紙ずれの音で、
♞ 胸騒ぎをかきけすように。
うららはおじいさんのリードに任せた、小さな体が滑らかに動き出した。
踊れる自分が不思議でたまらなかった、
・・これは真夏の夜の夢だわ、目が覚めたらいつもの病室で寝ているんだわ・・
二人は音楽に合わせてワルツを踊りルンバをふみ、
ロックンロールでむかいあって肩をふるわせた。
音がやんだ。
「一休みしま...
うららの病状もだいぶ良くなってきたある日、
「どうした、うららちゃん、妙な顔して? さては家に帰りたいんだなもうすぐ退院だょ」。
・・いっですか、先生? ・・、
「と言ってもまだ先だ、あと十日ぐらいかな。
明日から外へ出てもいいょ軽い散歩くらいならね」。
・・たとえば、向かいのマンションくらいなら、...
六年生の夏、うららは肋膜炎という病気になった。
病状は悪く病院に入院する事になった、
退屈な入院生活の始まりだった。
病室は最上階の六階で街路樹の頭が下に見えた、
アスファルトの道をへだててマンションが在った。
丁度病室の窓からそのマンションがよく見えて何気に見ると、
正面にはおじいさんらしき人の部...
今夜も星が綺麗に見える、
今見ている星は何万光年も向こうの星。
つまり、
何万年も前に輝いた星が今やっとここで輝いている。
それって不思議じゃない、
もしかしたらあの星はもう消えてるかもしれないんだょネ。
でも私たちには、わからない。
見えているのに、もういない星。
見えているからって、あるとは限ら...