「ほら、ちゃんとこの通りあるじゃないか・・・どう思う」
「ここに刺繍してあるの・・誰かの名前だょ」
ほつれた縫い糸の下に、かすかに文字が見える。
「・・・・・バンキッシュ博士」
「誰」
「さあ、マッキントッシュなら知ってるけど」
「それはお菓子のメーカーだろ」
私達は相談して、図鑑を持ち出すことにし...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
「ほら、ちゃんとこの通りあるじゃないか・・・どう思う」
「ここに刺繍してあるの・・誰かの名前だょ」
ほつれた縫い糸の下に、かすかに文字が見える。
「・・・・・バンキッシュ博士」
「誰」
「さあ、マッキントッシュなら知ってるけど」
「それはお菓子のメーカーだろ」
私達は相談して、図鑑を持ち出すことにし...
翌日の昼休み、私は理科室を訪ねてみた。
昨日の本がどれくらい古い物なのか、
教師に聞いてみようと思ったのだ。
まだ若い理科の教師は、
実験器具を並べたままの教卓で食事の最中だ。
戸棚の中を絶対に見せてはくれない点では頑固だが、
生徒にはいたって評判がいい。
気さくであるし、固形燃料で飛ばすロケット作...
その学校の理科室には、
世界中の不思議な鉱脈と言われる標本が展示されている。
しかし、まだ誰も見たことがない。
都市伝説のような話、
不思議クラブの中にあると言う不思議な石たちの物語。
放課後、私は理科室に忘れ物を取りに戻った。
理科室の前を通ると、扉が開き放たれていることに不思議に思った。
窓も...
頬で涙がかさなった時
もう他人じゃない気がした
遠回りでしか進めないあなた
私はいつまでも待っている
気持ちをヒリヒリさせながら
孤独を楽しんでいる
あなたが泣いた夜
反省しているんだ
もっと優しくならなければ
ふれられるのを
確信していて
君に思いを告げるのは
どこか句読点を打たないと
次の段落へ
進めない気がするからです