私はひとりかも知れない
降りしきる雨の中
ただひたすらに地上を目指しながら
私はそんなことを考えていた
でも不思議と悲しくはない
何故なら私の心の中には
希望の箱がひとつあるから
心の中にある箱には
零れ落ちる程の希望が入っている
私は私である限り
心の中にある箱を抱きながら
永遠に生きて行く
た...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
私はひとりかも知れない
降りしきる雨の中
ただひたすらに地上を目指しながら
私はそんなことを考えていた
でも不思議と悲しくはない
何故なら私の心の中には
希望の箱がひとつあるから
心の中にある箱には
零れ落ちる程の希望が入っている
私は私である限り
心の中にある箱を抱きながら
永遠に生きて行く
た...
雨がしとしと降る、
商店街のアーケードに七夕飾りが置いてある。
たくさんの人が書いた願いが短冊になり、
笹の葉の中で揺れている。
足早に通り過ぎて行く人たちを横目に、
その場所にたたずんでいる私。
笹の香りが、かすかにしてくる。
空調の風で、笹がカサカサという音をたてる。
短冊に書かれた願いを目で追...
電話がかかってきた、
「合言葉は・・・」
いきなりそれかい。
「今宵も森に月はかげり、散歩を繰り返しいつもの場所にいましぇん」
合言葉は勝手な事を並べるのである、
まったくいい大人が人が聞いたらどないするねん。
そしていつもの店、テーブルに置かれた一冊の白い本。
というわけで、この白い本が何かという...
いつものメンバーでグラスを傾けながら、
ぼんやりと考え事をする。
「本を書こうかと思うんだ」
「いいね」
「いゃ~参った、だいたいあれですょどんな本になるのか」
とりとめのない酔っぱらいの会話は脱線しっぱなしだ。
「タイトルを決めなくちゃ」
「タイトルね~って・・・まだそれも決めてないの」
「そそ・...
友達が遊びにやってきた、ヨコハマから。
おみやげは崎陽軒のシウマイと古いレコードが一枚、
レコードはトム・ウェイツのクロージング・タイム。
友達の家の隣にある古レコード店、そこで見つけたらしい。
そして駅の売店で売ってるシウマイ、
「シューマイ」でも「しゅうまい」でもなく「シウマイ」なのだ。
よくこ...