古い数寄屋造りの家、
玄関の戸を開けるとお香のかおりがした。
訪ねて行ったことを歓迎してくれるかのようで嬉しい。
お香のかおりは、
その場所を清めるような感じがする。
空気が爽やかになり、適度な緊張感が漂う。
昔からある日本の家の玄関の空気は冷たい。
その空間にお香のかおりは、とてもよく合う。
お香...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
古い数寄屋造りの家、
玄関の戸を開けるとお香のかおりがした。
訪ねて行ったことを歓迎してくれるかのようで嬉しい。
お香のかおりは、
その場所を清めるような感じがする。
空気が爽やかになり、適度な緊張感が漂う。
昔からある日本の家の玄関の空気は冷たい。
その空間にお香のかおりは、とてもよく合う。
お香...
家から少し離れたフラワーショップに行く。
歩きではチョツト遠いし、
車で行くほど遠くない。
ならば、
サクッと自転車で走ろう。
風を感じるには自転車がイイ、
ついでに寄り道をしながら買い物。
花は、
もっとも簡単に季節を感じることが出来る。
部屋にあるいちりん挿しに飾ろう、
草木や花は季節の移り変わ...
シャツを買いました、
白いシャツ。
物を買う時のこだわりは。
同じシャツを3年着て、
ペラペラになって捨てるしかないものを買うか。
あるいは同じものを3年着こんで、
いい表情に育つものを選ぶか。
こだわってこだわりぬく。
せっかく付き合っていくのだから、
そのものと過ごす時間を大事にした選択をしたい...
どういうわけか、
踏切を渡ることが出来ないのだ。
いつ行っても開いていない。
踏切の向こう側には色々なお店や銀行や駅がある、
どうしても私は向こう側に行かなければならない。
だが、
行けない。
他の人に聞いてみると難なく渡っているので、
どうやらこの不運は私だけのものらしい。
さて、
こんな時はどう...
どういうわけか、
ひとりの旅人が大切なトランクを駅に忘れてしまった。
駅長が慎重な手つきでトランクを開けると、
中には大量のスケッチブックがはいっていた。
駅長はおそるおそるそのスケッチブックをめくって見た。
しかし、
どのページをめくってもまっすぐな線が一本伸びているだけだった。
はてな ? と首...