人ほど、
自分の皮膚を不安に感じる動物はいない。
人は服を着る。
その上部屋にこもる。
堀や城壁で取り囲む。
さらには、
村を作り国を作る。
そうして、社会というシールドを構築し、常に、
その綻びに目を光らせ、直し続けるのだ。
それか、人間という動物だろう。
幾重にも及ぶ、
かぶりものを一生脱がない...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
人ほど、
自分の皮膚を不安に感じる動物はいない。
人は服を着る。
その上部屋にこもる。
堀や城壁で取り囲む。
さらには、
村を作り国を作る。
そうして、社会というシールドを構築し、常に、
その綻びに目を光らせ、直し続けるのだ。
それか、人間という動物だろう。
幾重にも及ぶ、
かぶりものを一生脱がない...
リングシルク・ハット。
この帽子は帽子本体の上部に付された象牙色のリボンに、
特殊な微発光液が塗布されており夕方の街角で青く光る。
一見遠目には紳士の頭上に天使の輪のごときものが、
ほんのりと輝いて見えるという仕掛けだが。
その帽子を手に入れたものだけが、
天使と契約を結べるという優れものなのだ。
...
思い出された者は
思い出した者の悲しみを知らない
泣かせた者は
泣いた者の
泣いた者は
泣かせた者の悲しみを知らない
共に生きた束の間の
あの愛のすべてよ
飾り窓に生けた花の香よ
軽く苦しく優しい
薄墨の静かな愛よ
人を好きになって、愛しあって、夢中になって、
それが私の人生の主題であってもよい、
とは思う。
だけど、
そのことはライフスタイルとは別ものでしょ。
それは、
物理学がライフスタイルと独立して存在する、
独立した価値を持っているのと同じだと思う。