私の引き出しの中には、
捨てられないものがたくさん入っている。
川で拾った奇妙な形の石ころ。
おばあちゃんの家の蔵の錆びた鍵。
海岸で拾った丸くなったガラス。
おじいちゃんの家の裏山で拾った葉っぱ。
友達にもらったお土産の外国製のジャムの瓶。
物語を書いてホチキスでとめたノート。
自分の家の物置から...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
私の引き出しの中には、
捨てられないものがたくさん入っている。
川で拾った奇妙な形の石ころ。
おばあちゃんの家の蔵の錆びた鍵。
海岸で拾った丸くなったガラス。
おじいちゃんの家の裏山で拾った葉っぱ。
友達にもらったお土産の外国製のジャムの瓶。
物語を書いてホチキスでとめたノート。
自分の家の物置から...
見知らぬ人々の間に、
ある瞬間だけ伝わりあうある感覚があります。
共通感覚みたいなもので、
なによりも強くて鋭いもので。
人と人とを一体化させるようなもので、
時に私はその感覚に襲われます。
その感覚に襲われた時だけ、
私は時や場所を超えたどこか別のどこかに行ける気がして、
電車に乗ります。
別に行...
いつまでたっても、
あの昔からの憧れの処へはとどかない。
それはまるで、
ユラユラと揺れる蜃気楼のよう。
あそこまで、
と夢に見た場所へ来てみると。
そこに見えていたものが何もなくて、
同じように遠いところにそっくりそのまま輝いている。
いつになってもたどり着かない、
不思議な場所。