子供の時に「将来は何になりたいですか?」と聞かれて、
あなたはどう答えただろうか。
私は船乗りになりたいとある程度の年まで、
そう答えてた。
子供の頃に住んでいた家から港が近かったため、
よく遊びに行っていた。
そこでは見送りの人と乗客との間で紙テープが投げられ、
そのテープが切れるまで別れを惜しむ...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
子供の時に「将来は何になりたいですか?」と聞かれて、
あなたはどう答えただろうか。
私は船乗りになりたいとある程度の年まで、
そう答えてた。
子供の頃に住んでいた家から港が近かったため、
よく遊びに行っていた。
そこでは見送りの人と乗客との間で紙テープが投げられ、
そのテープが切れるまで別れを惜しむ...
霜がおりて、
とけはじめて無数の水玉になり落ちていく。
あの時も、
あの日も、
どこかに旅をする水玉。
そっとひと粒、
手のひらに入れる。
あらわれては消えて、
またあらわれる水玉。
それはいつもいつも、
ただ気になるものとして、
この視界の片隅に、
存在しては消えていく。
雨なので、私はかなり退屈してた。
カッパを着た伝書コンドルが世迷言をいいながら入ってきた、
「伝言ダッピョ」それは私の弟子のカントトからの手紙だった。
内容はと言えば、
赤い鳥郵便公社の角を曲がって道なりに進むと、
火星が出てる方向にアイスクリーム工場の時計塔が見えてきたら、
そこで立ち止まって左前...
いつもの酒場で待ち合わせ、
と言いながら飲み会ナンデスノーーーん。
ここのマスターは話上手だ、
「マスターって大嘘つきだょね」飲みながら私は絡んだ、
「はぃ、ほんと大嘘つきですょ」笑いながらマスターが答えた。
マスターは客を飽きさせない、あきれるほど嘘が上手だ。
今見てきたような嘘を何のためらいもな...
午前9時過ぎ、太陽はサンサンと私の家をあたため始めてる。
わたしはと言えばまだ夢の中を彷徨ってると、
家のベルがジャッパンベルミーーンと鳴る。
これは私の悪友がドイツのオミヤゲで買ってきたもので、
それを私が寝てる間に勝手に付け替えたのだ。
それ以来、私の家のベルはこの奇妙な音が鳴り響く。
最初は戸...