墓参りを終えて「これから何する?」と聞かれた、
「ぼーっとしたりしていたい」と答えた。
さすがに三時間もぼーっとしていると飽きたので、
散歩でもすることに。
昔とそれほど変わってないように見えた街並みは、
歩いていくうちにいくつかの建物が姿を消していることに気づく。
のどかな田舎の風景、
以前に中通...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
墓参りを終えて「これから何する?」と聞かれた、
「ぼーっとしたりしていたい」と答えた。
さすがに三時間もぼーっとしていると飽きたので、
散歩でもすることに。
昔とそれほど変わってないように見えた街並みは、
歩いていくうちにいくつかの建物が姿を消していることに気づく。
のどかな田舎の風景、
以前に中通...
また桜の夢を見た。
私は見知らぬ土地で桜を見ていた、
まばら咲だった花びらも歩き進うちに桜の花しか目に入らなくなった。
十重、二十重の花の房はくす玉のように丸く枝にたわませている。
川岸の堤は降りつもった花びらに染まっていた。
八重桜は紅く濃く、晴れやかな天空に映える。
毬のようなひとかたまりに咲き...
この丘をかけ上って、
あの大きな樹の下でおやつを食べた。
あの樹に寄りかかって、
かくれんぼもした。
樹の下で私たちの恋が、
永遠であるようにと誓い合った。
丘の上の大きな樹は、
私の秘密をたくさん知ってる。
満月になると、決まって並ぶ露店の店がある。
名前は月の祭り店という、
売り物は卵色のシフォンに蜂蜜を溶かしたムーン・ケーキ。
日の暮れる頃には、人々の長い行列ができる。
そしてケーキのおまけとしてもらえるもの、
キレイな色のビー玉を入れたソーダ水。
このソーダ水はムーン・ドロップと呼ばれ只者ではない...
ありがとう、さようなら。
その言葉が言えなくて、
いつまでもふざけて帰る時間をのばしてた。
でも時間は過ぎて夜になって、
誰もはっきりと言わなかったけど、
別れの時は近づいていた。
楽しかった、忘れないで。
その言葉が言えなくて、
いつまでもそれを避けて帰る時間をのばしてた。
でも時間は過ぎて夜に...