だんだん
思っていることを言いたくなってきた
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
学生時代に一度だけ旅行したことのある、
異人館が並ぶ街。
また来たいと思っていたのだが、
仕事に追われた生活の中では難しくてすっかり忘れていた。
今回は仕事でたまたま訪れた。
そそくさと仕事を終わりにして街散策へ、
バスの中から眺めた古風な建物のある一角へ向かった。
そこは看板通りで外観を残したまま...
月が蒼く透き通って見える、
わたしのお勧めの場所がある。
都内で数少ない、とある場所。
汐を含んだ涼しい風がここちよい。
近代的な硝子とジュラルミンの高層建築に混じって、
プロバンス風の古めかしいアーチや柱がちらほら見える。
港に張り出した埠頭の突端まで歩くと、
天と海の境に水平線の先に貨物船や観光...
奴の家は坂の途中にある、
今では珍しい風向計のついた三角屋根の白い壁の家。
屋根瓦は当時ではめったに使ってないルビィグラスと言って、
紅いビー玉のように輝いている瓦をのせてある。
昨日に私と草一のシチューを食べて、
忘れてた唯一作れるものがあることを思い出した。
それをどうしても作りたくなり、
そう...
コンクリートジャングルに向けてひらけた空は、
夏の日ぽっく輝いている。
休日の街のざわめきは、
暑さの中に吸い込まれどこか遠くで響いていた。
太陽は真上にあり、アスファルトの照り返しがきつい。
街中にも色々なオアシスがある、
オープンテラスの椅子に腰かけて私は手にしていた本を開いた。
風は斜め向かい...