ふたつの酒を混ぜ合わせた合成酒、
ブレンダーの微妙な匙加減で、
ひと匙ごとに味が違う。
ラベルにはこの地で作られる「白い手袋」が示され裏側に、
「両手が握手するかの如きブレンドに当たれば儲けもの」とある。
それは絶対にできない、
右手と左手は握手できないからだ。
これは悪友からのお土産のお酒だが当分...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
ふたつの酒を混ぜ合わせた合成酒、
ブレンダーの微妙な匙加減で、
ひと匙ごとに味が違う。
ラベルにはこの地で作られる「白い手袋」が示され裏側に、
「両手が握手するかの如きブレンドに当たれば儲けもの」とある。
それは絶対にできない、
右手と左手は握手できないからだ。
これは悪友からのお土産のお酒だが当分...
祖父から譲り受けた不思議、
かなり昔の読むことのできない本。
その本の事を思い出して、倉庫から出してみた。
子供の頃には大して気にならなかったのだか、
今はじめて手にして知った。
紙の作りが今のもとは全然違い、かなりもろいのだ。
本を開くとページはまるでトランプのように、
ばらばらと机の上にほぐれて...
どこから来た ?
私は誰 ?
どこへ行く ?
貴方は 貴方から生まれ 貴方は 貴方です
そして どこへも行かない
水はおそろしいほどに透明度が高が、
どこまで覗き込んでもその底を確かめることはできない。
ここは水路の街ボナピアン、
その水面を滑るように行き来するドラゴン舟。
その舟はいつでもひよいと飛び乗れるスピード、
我々が舗道を歩くかのような速さなのである。
昔ながらの水都の情緒を味わうのには便利だ。
とこ...