私はあなたに言ってしまう。
そしてあなたの手をつかんでしまう。
どうしても、星のように。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
人はいつまで夢を見ていられるだろう。
人はいつまで何かをはげみにするのだろう。
時々未来の暗闇を見て、
底知れない怖さを感じる。
そんな時には振り返ってみる。
過去はどうにか生きてきた、
今までのようにやっていこう、
同じようにやってみようと。
誰もいない静かな森の奥に家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
誰もいない海のほとりに小さな家を建てて、
ずっと二人で暮らしたい。
それがなぜ出来ないなんて、
言わせない。
夏休を待ちきれない私は叔母の屋敷にやってきた。
叔母の家に隣接していた遊園地は、
私が幼いころに廃園になり取り壊されることなく隣にある。
私の目的は、その廃園になった遊園地の探検だ。
よく泊まりに来ては、夜になるのがすごく恐かった。
隣の廃園から、夜な夜な聞こえてくる妙な声にだ。
どうしてもその声の...
昼下がりのペットショップ。
欲しい犬を見飽きたのでついでに他の鳥のブースへ、
そこでご年配のご婦人の話し声に耳を止めた。
通路側のその人は藤色のカーディガンを手に持ち、
連れのご婦人と静かな口調で話していた。
私は話の内容に興味を惹かれて耳を澄ませた。
私の田舎に面白い習慣があってね、
婚礼箪笥の...