足跡が行ったり来たり、濡れた砂がどこまでも続く。思い出の中の夏は、まぶしく静かにあっさりと過ぎていった。水色の波。青色の海。空の青。空の白。空のうす紫。空のオレンジ。空のうす桃。
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✪マークは作り話でし
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
青く暮れかけの霧もでた遊園地が、海につきでた形である。観覧車は水平線を、晴れた日なら遠くまで見せて。回転ジェットコースターは海と空をひっくりかえす。ネオンがつぎつぎともり、光のアーチや緑のあかりがうかぶ。人のまばらな回転木馬にまで汽笛はひびき、知りはじめの私たちの恋を不安にさせる。どうなるかわからな...
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ミルク洋酒店で私たちはマルメロ酒をひと壜と、それにロケット壜ソーダを二本買った。つまみには何がいいかと迷っていた私の目の前には、私の身長ほどの大王イカのフライと、テンタクルズの目玉の甘煮がいい香りをはなっていた。妻は無造作にカラス印のスペアミント・ソセージをかごの中に入れる、「どうしてスペアミントな...
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夏が終わると、このシティではあれこれと行事が目白押しだ。毎日どこかの通りや広場へ繰り出していたあの頃。ビックサイトでジオラマ展をやっている。行ってみようと思う、ゆりかもめを降りると通りにアイスクリームショップを発見。サファイヤ・コルネを買った、この秋はじめてお目見えした人気のアイスで澄んだ天の蒼色を...
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９月の冷たい雨で、フッと思い出した。昔、父が通っていた小学校の近くには、湧水のプールがあった。遊ぶ場所が限られ夏の暑さをしのぐのに、小学校のプールはもってこいでいそいそ出かけて行った。しかし井戸水は夏冷たく冬温かいというのが、まったくこのプールの水は常識はずれに冷たく、児童はいつも唇を紫にしつつ、そ...
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