カルミアの花が咲いている。冬、カルミアの花が咲いたら見に来ると言ったあなた。春になってカルミアの花は咲いたのに、カルミアの花は咲いたのに。
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
カルミアの花が咲いている。冬、カルミアの花が咲いたら見に来ると言ったあなた。春になってカルミアの花は咲いたのに、カルミアの花は咲いたのに。
雑誌の付録についていた、プラネタリウム。大きさは野球のボールくらいだろう、部屋の電気を消して楽しんでみた。ぼんやりと燈が点いて見える、こういったものは正確さはあまり重要ではない。ノリでしょ。
草一は絵が好きでよく書いている、幼友達ということもあってよくそばで見ていた。何度か一緒に書いてみたのだが、隣の絵と比べてみると才がないのがはっきりわかる。したがって私はそれから筆をとることはなかったが、画材の買い物にはよくつき合わされた。頻繁に使う赤というとカドミウム系の、クリムソンレーキ(真紅)と...
帽子を眺めながら、今夜の星空を見て思う。星と星の間にあるのは真っ暗闇ではではなくて、ただ見えないだけでたくさんの星。真っ暗闇のように見える夜空は、無数の星で満ちている。からかわれているような頼りない私の人生は、風に吹かれる木の葉のようで。それは、あの夜空からとても遠い。けれどそれはあの夜空の中にあっ...
ロンドン通りには、私の意表を突く店が多い。勝手にロンドン通りと言っているだけなので悪しからず。雨も上がり、いくらか日が射した街角。お出かけは、お気に入りのスニカーにGジャンにコットンパンツ。お目当ては角の店、ミスシーの帽子。色は水色、下見はしているんだ。買い物は慎重さ、何件も店をまわりながら決める。...