バックの中や机の引き出しの中、トランクの中やスーツケースの中、財布の中やポケットの中。私は勿論、不思議なうえにも不思議なものを持っているんだ。それってなにかって ? 、それはね楽しくておかしくなるような品。たぶん、あなたもお気に召す品さ。だから、お願い。ほんのしばらく耳を貸してね。お目にかけたいと思...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
バックの中や机の引き出しの中、トランクの中やスーツケースの中、財布の中やポケットの中。私は勿論、不思議なうえにも不思議なものを持っているんだ。それってなにかって ? 、それはね楽しくておかしくなるような品。たぶん、あなたもお気に召す品さ。だから、お願い。ほんのしばらく耳を貸してね。お目にかけたいと思...
霙まじりの雪が雨に変わり、朝にはところどころがほんのり薄化粧。雪雲は水分をたっぷりふくんだ綿のように見えて、それでも朝日がさんさんと輝き始めた。雪が積もっている道を選んで歩く、子供の頃の感触が蘇る。スノーシューズではなかったので、寒さがつま先に突き刺さり始めた。毛糸のマフラーを耳まで隠れるほど深く巻...
お元気ですか。私たちが冬の道で歩いた並木が白い花をつけました。さっきから下の妹がうるさく誘ってます、今日は天気がいいので近くの湖にスケート遊びに行きます。天気が悪くならなければいいのだけれど。もう何度もお手紙を書いたのに、出せずにため息を何度もつきました。私の素直をあなたは褒めてくださったけど、私は...
そっと手をつないで歩いた子供の頃、真っ黒に日焼けした中学生を大人だと思ってた。小学校に入学した頃は六年生にあこがれてた。高いところがお気に入りで、ジャングルジムから走り幅飛びしてる砂場を見てた。友だちとの長い帰り道を果てしなく感じて、くらくらめまいがした。長い長いおしろい花の道を、大きな声で歌って歩...