涙は記憶を削除するためにある。だから、緻密な記憶を持った生き物ほど涙を流す。犬や猫にも哀しみはあるだろうが、なぜか涙を流さない。一方、人間の子供はすぐ泣く。彼らは記憶装置の容量がまだ少なく、ゆえにすべてがしっかりと記憶されている。ほとんど忘却されていない。それで、すぐに記憶が目にしみる。さらに生まれ...
✪マークはメルヘン・ファンタジー・人間模様の小話でし
涙は記憶を削除するためにある。だから、緻密な記憶を持った生き物ほど涙を流す。犬や猫にも哀しみはあるだろうが、なぜか涙を流さない。一方、人間の子供はすぐ泣く。彼らは記憶装置の容量がまだ少なく、ゆえにすべてがしっかりと記憶されている。ほとんど忘却されていない。それで、すぐに記憶が目にしみる。さらに生まれ...
酒の席でめったに出ないこんな話、そんな話をするのがわたすの友なのだ。ドストエフスキーの「罪と罰」を読んだことがない。悪友はあらすじ程度に影絵紙芝居をTVで見たという、私は手塚治虫が漫画化したものを読んだ気がするがあいまいだ。帰ってきてからその本を探してみた、本棚には新潮文庫の上・下巻がなぜか見つかっ...
悲しみが極限に達した時おとずれた、透き通った甘さに幻惑して、その時はじめてこのために多くの人々が、あえて苦痛を耐え忍んでいたのかと、隠されていた秘密の宝石を盗み見たような気になった。
「お前は世界の王様か ! 、屋根裏の独白、怪盗ルビィ・マーチンスン、影を売った男」これらは悪友から勧められた本である。どれもがさみしく、どれもが哀しい。たぶんあと10歳若かったら、そうは思わなかったかも知れないが今の自分はそう思う。もし、あなたが読んでいる本が、「素敵な生活はとても素敵」のような本で...