「オレの目的は…魔族の動向と痣の事…」
「取りあえず、それらは解決しているよね」
「後…解決していないのは…」
「船長の家族に…彼の死亡を報告する事」
すっかり、詰め所の仕事に慣れ始めてしまったリルドとカリス。
本来の目的は達成されているし、次に出来た目的だって、既にたまったお金で旅に出れ...
「オレの目的は…魔族の動向と痣の事…」
「取りあえず、それらは解決しているよね」
「後…解決していないのは…」
「船長の家族に…彼の死亡を報告する事」
すっかり、詰め所の仕事に慣れ始めてしまったリルドとカリス。
本来の目的は達成されているし、次に出来た目的だって、既にたまったお金で旅に出れ...
面倒ごとから開放される為に、頑張って働く二人。
殆ど素手の状態のリルドも、カリスの勧めで何とか剣を扱えるようになってきた。
「これで島に戻った時は、堅い連中相手でもOKか?」
あくまでも「扱えるようになってきた」レベルのリルドだが、何故か自信満々になっている。
「まだまだだよ…せめて、ボクに...
カリスの帰巣本能開花から翌日。
結構、団員のいる感じの詰め所は賑やかだった。適当に、行き会ったりばったりの紹介が終わって、詰め所団員の殆どが二人を知る事になった。
「魔族も生活が大変なんだねぇ…こんな、安月給で働かされたサ」
「魔族ってもっとリッチなのかと思ったよ…魔王って結構けんなんな?」
...
「貴様は、魔王の裏切り者アァンドォ魔王の弟かぁぁぁ!!」
普段「ギィ」としか言わない扉を「バッタァーーーン!」と無茶な音を響かせて詰め所に飛び込んできたヨウロン。はてなマークでは話にならないと判断して確かめに戻ってきたのである。
すでに戻ってきていたゲイドとリルドはあっけにとられるしかなかった。...
「オレの名前はゲイド…んで、コッチの魔族がヨウロン」
一応の自己紹介を終えて、これからの仕事の話が始まる。
なんだか、滑稽だが詰め所の人間にとっては日常の業務説明だし、新人で今日から働く事になったリルドとカリスにとってはきちんと説明を聞いて仕事を理解しないといけない。その為の正しい作業のはずなの...
|