ちょっとは腐って来たかもしれない 8
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/06/18 19:35:52
あれからセルカの態度は目に見えて変わり、幾分ぎこちなくとは言えティーグに甘えるようにもなった。
自分の気持ちに素直に甘えられないのは、おそらく今まで甘えた事がない為、『甘える』と言うこと自体がよく分っていないからではないだろうか。
「はう…」
そんなある日。セルカが14才(もしくは15...
あれからセルカの態度は目に見えて変わり、幾分ぎこちなくとは言えティーグに甘えるようにもなった。
自分の気持ちに素直に甘えられないのは、おそらく今まで甘えた事がない為、『甘える』と言うこと自体がよく分っていないからではないだろうか。
「はう…」
そんなある日。セルカが14才(もしくは15...
「ティーグさん、俺の事もういらなくなったんですか? 俺がティーグさんがため息つくようなことばっかりしてるから。だから帰されるんですか?」
セルカが相変わらず泣きやまないまましがみついた手を離しティーグの顔を見上げると、切れ切れにそう口にした。
「あ、いや…そう言う訳じゃなくてさ、ただお...
町へ戻ると忙しいと言う町長の代理人に砂虫の死骸を確認してもらい、後金を受け取る。
この死骸をどうするかは町が考える事で、そこまでティーグの関知するところではない。もちろん、
追加で報酬を出してくれると言うのなら話は別であるが。町長の屋敷に与えられた部屋へ戻ると、セルカが不安そうな顔をしてちんまりとベ...
セルカを引き取ってから早二か月少々。
"様"付けではなくなったものの、未だティーグは主で自分は金で買われた身分と言う立ち位置を頑なに変えようとしないセルカに、ティーグはお手上げ状態だった。
(そりゃ、結果的には奴隷のように金で買う事になったけどさー。おれはそんなつもりで引き取った...
採寸を終え、二人は宿屋へ戻る道を歩いていた。
とりあえず何組か頼んだ服が仕上がるまでには数日かかるので、その間はこの町にとどまっていなければならない。
宿屋の部屋へ戻ると、セルカは一体何をさせられるのかと怯えたような顔をしていて、ティーグは思わず苦笑する。
その笑いにすら怯えるセルカをティーグはベッ...
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